来季への準備&同級生【秋山思考 The Thinking!】
ゴールドグラブ賞が目標の1つになった
レッズがポストシーズンで敗退し、10月は割とゆっくり過ごしていました。子どもと近所の公園で野球をやったり、動物園に行ったりしてリラックスした時間を過ごすことができましたね。そのなかで1つのトピックスとして、ゴールドグラブ賞のナ・リーグ左翼手部門に僕がノミネートされたニュースが流れてきました。メジャー1年目は規定打席に達することもできませんでしたし、正直、予期せぬことだったので驚きましたね。名前が出たことで、いろいろな人から連絡ももらうきっかけになりました。打撃成績が良くなかったので、連絡しづらかった面もあったかもしれませんでしたから、また興味を持ってもらうという面では良かったです。 日本シリーズ前にふと思い出した、急逝したアナウンサーの言葉 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で公式戦は60試合、ましてやすべての球団と対戦しているわけではないので、ほかの外野手と比較して自分がどのくらいのレベルに位置しているのか自己評価することができませんでした。それは投票する側も同じでしょう(従来は各チームの監督、コーチの投票で決まる)。だから、今年は純粋に守備データの数値によって選ばれてノミネートされたと聞きました。 結局、選ばれたのはタイラー・オニール(カージナルス)で僕はゴールドグラブ賞を獲得することができませんでしたが、自信になったことは間違いありません。もちろん、僕は攻守走すべての分野でアピールしていかなければいけない選手ですが、「もしかしたらゴールドグラブ賞に届くかもしれない」と1つの目標になりました。ただ、だからといって、守備の数値を上げるために、声掛けもせずにやみくもに打球に突っ込んでいくようなことはしません。それは僕の野球観に反しますから。
肉体の衰えに抗っていきたい
11月からトレーニングを再開しましたが、例年この時期は体の”幹”をしっかり作ることに重点を置いています。年齢とともに肉体は下り坂になりますが、それに抗わないといけない。もちろん、技術練習をおろそかにするということではなく、打撃練習やキャッチボールもしっかりと行いますが、キャンプがスタートし、実戦が始まると、あらゆる刺激を受けて思わぬ力が入ってしまうことがあります。例えば内野安打になるかならないかというときに、いつも以上の力を出そうと頭が体に指令を出します。そのときに肉体の上限を超えてしまう可能性があり、ケガにつながってしまう。無意識のうちに体がリミッターを突破したときにも壊れない体をつくる。長期的に、その準備をするのがオフの時期だと思ってるんです。 日本球界の投手より平均球速が速いメジャーの投手を打ち返すために「もっと体重を増やしてもいいのでは?」と言われることもありますが、それは考えていません。5~10キロ増やすことによって、スピードが落ちるほうが怖い。守備であれば体が重くなることで、守備範囲が狭まってしまう可能性が出てくる。やはり、打って、守って、走ってと三拍子がそろっていないと「秋山翔吾」ではないと思いますし、そこにはこだわっています。現在の体重でも、体の使い方を変えることで、メジャーの投手にも十分対応できる方法があると思いますから。