再燃する安倍前首相の「桜を見る会」買収疑惑。下関市長選や次期総選挙への影響も
再燃した「桜を見る会」疑惑について安倍前首相を直撃
1月18日招集の通常国会で野党は、吉川貴盛・元農水大臣の収賄疑惑とともに「桜を見る会」前夜祭の補填問題を徹底追及しようとしている。菅政権は年内決着で幕引きをはかろうとしたが、略式起訴された公設第一秘書の“トカゲの尻尾切り”で逃げ切ろうとする安倍晋三・前首相(山口4区)の説明に野党は納得せず、「証人喚問しかない」として通常国会でのさらなる説明を求めているのだ。 ⇒【画像】記者クラブにだけ説明をして会場を出てきた安倍前首相を直撃 安倍前首相は昨年12月24日、自民党を取材する「平河クラブ」所属の記者24名限定の会見を開いて「検察が厳しい捜査をした結果、問題ないと判断した」と強調。翌25日の議院運営委員会では「会見を通して国民に説明した」と国会議員にアピールもした。 しかし「桜を見る会」前夜祭に参加した地元支援者の会費を一部補填(約700万円)していた事実が確定したのだから、公職選挙法が禁止する有権者への利益供与(買収)であることは明らかだ。 そこで、フリーの参加は不可だった記者会見場(衆院第一議員会館の第三会議室)の出口付近で安倍前首相を待ち構えて直撃、単刀直入に聞いてみたのだ。 「有権者への買収ではないですか。公選法違反は明らかではないですか。議員を辞めないのですか?」 安倍前首相は無言のまま、守衛らに取り囲まれて前を通り過ぎる。その後を追いかけながらさらに聞いた。 「秘書への(責任)押しつけではないですか? 敵前逃亡するのですか。フリーは排除ですか?」 安倍前首相はこちらを振り返ることもなく、立ち去った。
「桜を見る会」の参加者と支出額は年々増加。その中でも地元支援者を優遇!?
筆者は野党が追及チームを立ち上げた頃から取材し、関連記事(「『桜を見る会』の招待状は安倍首相の『選挙協力へのお礼』に使われていた!?」「下関市長選の安倍派勝利から見る支出額・参加者増の謎。『桜を見る会』追及チームの下関視察で疑惑が浮上」など)を執筆してきた。 安倍前首相に「有権者への買収ではないか」と声をかけたのは、「桜を見る会」と前夜祭が地元支援者への利益供与(事前買収や事後買収)であることは明白だと考えていたからだ。過去の記事でも紹介したが、「桜を見る会」の予算額(支出額)と参加者の推移は以下の通りである(2019年12月22日の記事から再掲)。 表1 「桜を見る会」と下関市長選 支出額(万円) 参加者数 〇2014年 3005.3 約13700 〇2015年 3841.7 約14700 〇2016年 4639.1 約16000 ◎2017年 4725.0 約16500 ●2018年 5229.0 約17500 ●2019年 5518.7 約18200 第二次安倍政権(2012年12月~2020年8月)の間に「桜を見る会」への支出額と参加者数は増加。本来は国家的な功労者が対象なのに、地元支援者は功労功績がなくても「桜を見る会」に招待されて安倍前首相と記念撮影、前日には会費5000円と安く設定された前夜祭に参加することもできた。