「おばあちゃんになるまで演じたい」中山美穂さんが急逝 叶わなかった“将来の夢”
12月6日、女優で歌手の中山美穂さん(54)が、東京都内の自宅で死亡しているのが見つかった。 【写真あり】最後となったインスタ投稿 各メディアによると、中山さんは自宅の浴槽で倒れているところを関係者により発見され、正午過ぎに搬送先の病院で死亡が確認されたという。 中山さんはこの日の夕方、大阪でクリスマスコンサートを開催する予定だった。遺書や事件性を疑わせる外傷については確認されておらず、病死の可能性があるとみて、警視庁などが亡くなった詳しい経緯を調べているという。 ‘85年にTBS系連続ドラマ『毎度おさわがせします』で俳優デビューした中山さん。同年に『C』で歌手デビュー。”花の85年組”として、瞬く間にアイドルとしてのスターダムに駆け上がった。さらに、90年代には映画『Love Letter』(岩井俊二監督)やドラマ『眠れる森』(フジテレビ系)などでの演技で女優として評価を確固たるものに。また、主演ドラマの主題歌『世界中の誰よりきっと』や、『ただ泣きたくなるの』がともにミリオンヒットとなった。 私生活では、’02年に辻仁成氏と結婚し、翌年にパリ移住。結婚・出産に際し、一時芸能活動を休止していたが、’10年の主演映画「サヨナライツカ」で女優復帰を果たした。 アイドル時代から「年を重ねることは楽しいことだ」と思っていたという美穂さん。’18年、主演を務めた日韓合作映画『蝶の眠り』に際した「FRaU」のインタビューでは、年を重ねることが芝居の肥やしになると語り、自らの”憧れ”をこう語っていた。 《80歳ぐらいのおばあちゃんって、陽だまりの中で座っているだけでも、何かが見えちゃうじゃないですか。そういう豊かさが欲しいなと思います》 さらに、同年公開の映画『ママレード・ボーイ』では、主人公の高校生たちの親を演じていた中山さん。スポーツ報知らの取材で、親世代の役柄で出るのはどんな気持ちか? と問われると、《他の仕事は今からは絶対に出来ないと思ったし、やらせていただいているものだから、これからはお返ししたいなという気持ちがあって、おばあちゃんになるまで演じられたらなって思ってます》と、おばあちゃんになっても女優を続けたいと明かしていた。 “末永く女優を続けたい”という夢を抱いていた中山さんだが、”おばあちゃんになる”確固たる自信もあったようだ。’20年、50歳を迎えた際に行った本誌のインタビューでは、今後の人生についてこのように語っていた。 「私、人からいつも『絶対、誰よりも長生きする』って言われるんです。困ったものなんだけど。だから、この先もたくさん時間があるわけで、50歳になるからって、考えても仕方ないなあと思って(笑)」 デビューからこれまで、各年代で印象的な演技を残してきた中山さん。間違いなく素敵なものになるはずだった“おばあちゃん”の演技を見られなくなってしまった。その喪失はあまりにも大きい。