でっか!Apple Vision ProとMacの新機能で「超ワイド」な曲面スクリーンが使えちゃう【動画で体感】
仮想スクリーンは正面だけでなく、好きな場所に置くことができ、距離も2m程度の範囲で自由に動かせる。席を離れて戻ってきても、仮想スクリーンが設定した位置にピタリと留まっているのは、なかなかの感動体験である。 ただし、ここまでワイドなスクリーンになると、現状の標準的なmacOSの環境では操作が煩雑になる部分もある。アプリのメニューがスクリーン上端のメニューバーの左端に固定されているため、中央や右寄りにウィンドウが置かれたアプリのメニュー項目を選ぶ際に、いちいち左上に顔を向ける必要が出てくるのだ。 この点に関してはApple自身も何らかの対応策を検討中と思われるが、筆者は、サードパーティ製のMenuwhereというユーティリティをインストールすることで、マウス操作やキーボード操作によってマウスポインタの位置にメニューを表示できるようにしている。これによって、視点をあまり動かさずに、すべてのメニューにアクセス可能となった。もしかすると、AppleがMenuwhereを買い取ってmacOSに組み込むようなことがあるのかもしれない。 たとえば、冒頭で触れたディーリングルームの課題の1つに、部屋の配置換えや引っ越しの際の機材の移動と配線のやり直しがあるという。これなど、Apple Vision Proがあれば、それとMac本体を移動するだけで済むため、手間を大きく省けるはずだ。また、表示できるタイムラインが長いほど全体を俯瞰しやすくなる動画の編集者なども、Apple Vision Proの仮想スクリーンの恩恵を受けやすいユーザーといえるだろう。 今後、もしApple StoreでのApple Vision Proのデモに、この仮想ディスプレイのパートが加わるようであれば(その可能性も十分ありそうだが)、読者の皆さんにもぜひ体験していただきたいと思う。そうすれば、Appleが考える空間コンピューティングの世界がより身近に感じられると思うからだ。
大谷和利