でっか!Apple Vision ProとMacの新機能で「超ワイド」な曲面スクリーンが使えちゃう【動画で体感】
もちろん、一般的なコンピュータユーザーでも、大型ディスプレイを一度でも使うと元には戻れないという人は多く、予算と場所の許す範囲で可能な限りディスプレイを大型化したいというニーズは確実に存在している。そのため、Apple Vision Proのセールストークの一つも、物理的な制約に縛られることなく、Macの仮想的な大型ディスプレイとして使えるという点だった。 しかし、その場合もvisionOS 1.xではMacの主ディスプレイを縦横比16:9、最大4K解像度で表示するというもので、普通にワイドスクリーンの外付けディスプレイを使う感覚に留まっていた。不思議なもので、その程度だとApple Vision Proの仮想空間の中ではかえって狭く感じられてしまい、個人的には、visionOSのネイティブアプリのように、Macの各ウィンドウを(仮想スクリーンの枠に縛られずに)空間内の任意の位置に配置したくなることもあった。 ● 今も価格高めの超ワイド曲面ディスプレイ さて、今では大型の外付けディスプレイの価格もかなりこなれて買いやすくなったものの、それはパネルが平面の製品についてのみいえること。ワイドになるほど左右の端がユーザーの目から離れてしまうため、見やすさを考えて曲面パネルを採用した製品は、その付加価値のために高めの価格設定となっている。 特にハイエンドの49インチクラスになると20万円近い価格であり、かつ、幅が120cm以上で重量も16kgを超えるので、それなりに頑丈な机上スペースがないと置き場所にも困る。もちろん、据え置き専用で、外に持ち出すことなど論外である。
これに対して、Apple Vision Proによるウルトラワイドモードの仮想曲面スクリーンは、Appleいわく4Kディスプレイ2台分の表示エリアを持ち、それが飛行機や新幹線の座席であろうと公園であろうと、あるいはワーケーションで訪れたリゾートホテルの一画であろうと、どこでも利用できてしまうのだ。 もっとも、価格だけを単純比較すれば、日本では曲面ワイドスクリーンモニタの3倍以上するわけだが、Apple Vision Proでは、仮想環境を設定すると環境音を含めてユーザーが実際に置かれている場所とは異なる空間内で作業に集中できるなど、次元の異なる利用形態が実現されることを考えると明らかな優位性がある。 ● 「百聞は一見にしかず」のウルトラワイドモード そこで、ここからはスクリーンレコーディングした動画を使ってウルトラワイドモードの雰囲気を味わっていただくのだが、お断りしておくと、Apple Vision Proは視線の移動に合わせて描画の密度をダイナミックに変化させることで、画像処理の負荷を減らしつつもユーザーには空間すべてがクリアに見えるように工夫されている。そのため、視野のある程度の部分を切り取って記録するスクリーンレコーディングでは解像感が低いと感じられるが、実際のApple Vision Proでは細かいテキストまでクッキリと見える。 まずは、仮想スクリーンのサイズを「標準」、「ワイド」、「ウルトラワイド」の3段階から選べるので、その違いを見ていただこう。サイズ変更の際に多少時間がかかっているのは、元のMacでは本来サポートされていないディスプレイ解像度を実現するために、Apple Vision Pro側でも単なるミラリング以上の何らかの処理が行われているためではないかと推測される。 一度サイズが変更された後は、特に感じられるような遅延もなく各種操作を快適に行うことができる。唯一、難があるとすれば、Macの仮想スクリーン内の操作もジェスチャーで行えるような錯覚を起こしてしまう点だが、それはあくまでMac側でコントロールすることになる。