中国・成都へ定期便検討 熊本国際空港、東北地方初の仙台線誘致も
熊本空港を運営する熊本国際空港(益城町)が中国・四川省の成都への定期便就航を検討していることが31日分かった。同社の主要株主である大手総合商社の双日(東京)が成都市と熊本線の開設を含む戦略的連携協定を交わしており、今後、具体化に向け協議を本格化させる。一方、国内線では東北地方初となる仙台線の誘致を進める方針だ。 新型コロナウイルスの収束後を見据えた動きで、実現すれば熊本と中国を結ぶ定期便は初めてとなる。 関係者によると、双日は2020年10月、成都市と協定を締結。熊本─成都線の開設をはじめ、中国の西部と九州の経済貿易や文化、観光、投資の促進について相互協力することで合意した。 コロナ禍に伴い、就航の目標時期などは決まっていないが、既に航空会社を含めた現地の関係者と協議を進めているという。 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、成都は中国西部にある四川省の省都で、人口1633万人(18年)の大都市。経済成長が著しく、電子部品や自動車などの生産が拡大しており、日系を含む多くの外資系企業が進出している。ジャイアントパンダの保護や繁殖地としても知られる。
熊本空港は20年4月に完全民営化。国の入札の際、熊本国際空港に出資した企業グループは国際線ネットワークの拡充を掲げており、実現すれば成都線がその皮切りとなる。 一方、仙台線については羽田以北の新規路線を検討する中で浮上。就航時期は未定だが、県内企業の聞き取りから東北出張の需要が見込め、旅行先としても人気があることから有望路線とみて誘致に乗りだす。(中原功一朗)