前代未聞の男子リーグ挑戦…元なでしこジャパン・永里優季が手に入れた“男女の壁”を超える武器
スポーツで、女子は男子を上回ることはできないのか? これまで多くの女子アスリートが挑んできた高き壁。ゴルフ界ではミシェル・ウィーが男子ツアーに参戦。アメフト界では大学のリーグ戦に女子選手が出場するなど挑戦をつづけてきた。 そして、サッカー界にも一人。その壁に挑んだ人物がいる。 元なでしこジャパン・永里優季(33歳)。 「昔からいつか男子のリーグでプレーしたいという思いがあって、このチャレンジができることが本当に楽しみです」(永里) 2020年9月から3か月間というレンタル移籍で神奈川県の男子社会人リーグに加入。男女の差においてフィジカルやスピードが障壁となるなか、彼女は何を武器にして戦ったのか? 1月10日(日)の『GET SPORTS』では、中西哲生が永里の挑戦の裏側に迫った。
◆異例の挑戦「歴史に名を刻んだ」
2020年9月、異例の挑戦がはじまった。 永里が移籍先として選んだのは、地元・厚木市を拠点とするクラブ。将来Jリーグ参入を目指して2019年に設立された、社会人リーグ2部の「はやぶさイレブン」だ。 移籍するにあたって橋渡しをしてくれたのが、チームでプレーする2歳上の兄・源気。 「入ってくれたら彼女にとってもチームにとっても、互いにメリットがあると思ったので橋渡しをしました」(兄・源気) その挑戦に多くのマスコミが注目しただけでなく、国際サッカー連盟の公式Twitterでも「歴史に名を刻んだ」と大きく紹介された。 中西:「まず、はやぶさイレブン加入の経緯を教えてください」 永里:「アメリカのリーグが7月で終了することになっていて、その先プレーする機会がどうしても欲しくて、そのタイミングでヨーロッパに行ったり、日本の女子チームに入るよりは男子チームでやりたいというのがパッと思い浮かびました。ちょうど兄が所属していて、地元厚木というのもあって即決しました。普段から男子とやりたいという思いと、地元に貢献したいという思いがあって、両方同時にかなった形です」