【ターコイズS】2歳戦より遅いタイムでも… 数字以上の価値があったアルジーヌの可能性
[GⅢターコイズステークス=2024年12月14日(土曜)3歳上牝、中山競馬場・芝外1600メートル] 14日、中山競馬場で行われたGⅢターコイズS(3歳上牝馬限定、芝外1600メートル)は、中団追走から直線で末脚を伸ばした西村淳騎乗の2番人気アルジーヌ(牝4・中内田)が先頭でゴールイン。デビュー11戦目で重賞初制覇を達成し、良血馬の本格化を印象付けた。タイムは1分33秒2(良)。 1時間10分前にゲートが開いた9R・ひいらぎ賞(2歳1勝クラス)は同じ舞台で1分32秒4の2歳レコードが記録された。同レースを逃げ切ったデンクマールの前半1000メートル通過は57秒3。対して牝馬限定とはいえ古馬GⅢで同58秒1は相当緩い流れだ。事実、2着ビヨンドザヴァレー、3着ドゥアイズと好位組が上位を確保。決して流れが向いたとはいえない展開で、4角7番手から外を回って差し切ったアルジーヌの勝利は1分33秒2の数字以上の価値がありそうだ。 決して慌てることなく勝負どころまで追い出しを待った西村淳には確かな勝算があった。「関係者の方々がしっかりといい状態で中山競馬場に連れて来てくれたので自信がありました。終始、手応えは良かったですし、いつでも抜け出せる雰囲気がありました」と重賞未勝利馬でもチャレンジャーの意識はなかった。そして直線では期待通りの末脚を発揮。スローの流れで、きっちり1馬身差をつけた内容は大舞台での活躍さえ予感させる。「完勝でしたね。ポテンシャルは高いので機嫌さえ良ければ走ってくれます。まだまだ奥がある馬なので今後が楽しみです」と来年以降の飛躍をイメージしていた。 そして、京都競馬場のモニターで戦況を見つめていた中内田調教師も「もともと、いい馬でしたが時間をかけて成長してくれました。来年に向けて賞金加算できたことは何よりですし、少しでも母に近づいてくれれば」と牝馬重賞の常連だったキャトルフィーユを引き合いに出し、本格化への手応えを隠さなかった。
東スポ競馬編集部