観光業から農業へ 人材派遣(ダイブ、シェアグリ)2社連携 既に20人が決定
新型コロナウイルスの感染拡大により観光業で働く場を失った人たちと、働き手を求める農家を結び付ける取り組みが動き出した。人材派遣を手掛ける2社が連携。既に働き始めた人もおり、これまでに20人ほどを派遣することが決まっている。コロナ禍で労働力の需給が乱れる中、今後もこうしたマッチングに力を入れる考えだ。 連携した企業は、観光地のホテルなどへの人材派遣を手掛けるダイブ(東京都新宿区)と、農業人材派遣を手掛けるシェアグリ(東京都千代田区)だ。観光地で働く仕事は若者などに人気だが、コロナ禍で求人が減少。一方、農業現場では外国人技能実習生が来日できないことによる労働不足が課題だった。 そこで2社は5月から連携してマッチングを開始。ダイブが失業した人材を把握し、シェアグリが既に人材を派遣している農家につなぐ。長野県や群馬県など、繁忙期を迎えている高冷地の野菜農家などで既に受け入れが始まっている。いずれも外国人技能実習生が来られず、困っていたという。 シェアグリの井出飛悠人代表は「旅館などで社会人として働いていたが失業してしまった人たちが多い。人がいるところから、足りないところにマッチングを進めたい」と説明する。
日本農業新聞