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クマ撃てぬ 北海道内の猟友会 銃の所持許可取り消しで慎重姿勢

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北海道新聞

クマ駆除時の発砲を違法とされ

 砂川市でクマの駆除をした際の発砲が違法だったとして、北海道猟友会のハンターが銃の所持許可を取り消された影響で、道内各地の猟友会が「クマ駆除に銃は極力使わない」と決めるなど慎重姿勢を強めている。人里へのクマ出没が増える中、駆除のあり方が問われている。 【動画】泳ぐヒグマ、オジロワシに襲われ…  「また出たか。今行く」  道猟友会砂川支部の池上治男支部長(71)の携帯電話には6月以降、クマの目撃情報を受けた砂川市からの出動要請が昼夜問わず入る。池上さんは車に乗って現場に向かうが銃は持たない。2018年のクマ駆除の際、住宅の方向に向けて撃ったことが違法として、道公安委員会から銃所持許可を取り消されたためだ。

道警は発砲が可能な場所明確に示さず

 今年は人里に近づくクマが多く、現場で危険性を調べては助言するだけだ。池上さんは「このまま銃駆除できないと、人畜被害が起きかねない」と懸念する。  市農政課は通常、箱わなを仕掛けて捕獲を試みるが、成功しても銃でとどめを刺す必要がある。同支部が昨年夏、道警や市、道と協議した際、道警はとどめの発砲が可能な場所を明確に示さずに「発砲に問題があれば摘発する」と説明した。これに対し、同支部は「それならクマ駆除では撃たない」との方針を決めた。  クマ駆除を巡っては、法規制が足かせとなった例もある。帯広市の住宅街にある小学校で昨年12月、クマが現れた際には、異例の手続きで銃駆除が行われた。校舎の木に登っていたのは130キロの若グマ。道猟友会帯広支部は危険性が高いと判断し、発砲を決めた。

民間人に重い責任

 ただ、住宅街での発砲は原則禁止され、合法的に撃つには警察官職務執行法に基づき、警察官の命令を受けないと撃てない。そのため帯広署長に現場へ来てもらい、発砲命令までに4時間かかった後、ようやく駆除できた。同支部の沖慶一郎さん(53)は「クマが動かなかったのは奇跡」と振り返る。  道立総合研究機構の間野勉専門研究主幹(60)は「国内では適正なクマ駆除を行える法制度になっておらず、ハンターら民間人に駆除の責任を負わせるのは重すぎる。海外のように自らの判断で発砲できる公務員を育成するなどの体制を整えるべきだ」と話している。

北海道新聞

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