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上白石萌音が表現する“多様性を認め合う優しさ” 温かなバラード「夜明けをくちずさめたら」を聴いて

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リアルサウンド

 ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の主演を経て、本格的なブレイクを果たした上白石萌音。まさに今をときめく女優である彼女だが、かねてより歌手としての実力、魅力に注目を集めるシンガーでもある。  5月11日、上白石は新曲「夜明けをくちずさめたら」を配信リリース。「いろいろな人たちがぶつかり合う中で、多様性を認め合うことをテーマに」との依頼を受け、水野良樹(いきものがかり)が書き下ろしたバラードだ。  リリースに先駆け、4月から『みんなのうた』(NHK総合)で放送されている同曲。曲本来がもつ魅力はもちろんのこと、「上白石萌音」という人が歌うからこそ、言葉のひとつひとつが心の隙間にじんわりと染み渡り、メロディがひときわ、優しく切なく響く。  「夜明けをくちずさめたら」に込められた、“多様性を認め合う”というテーマ。叶えることは、そうそう容易くはないのが現代だ。孤独やさみしさ、愛されたい想いは、誰の上にも、同じように存在しているのに。 願いが叶うのなら はぐれた人にも しあわせが落ちて ぬくもりが生まれて 優しさがつながれて またいつか逢えたらいい (「夜明けをくちずさめたら」より)  上白石の歌声は、柔和で温かい。それでいて、まっすぐで強い。“認め合う”ことはできずとも、認めたい。たとえ自分ひとりだけであっても、はぐれた誰かのことを想っていたい。“きれいごと”だと分かっていても、それでも信じていたいという優しい願い、強い意志が、歌声から伝わる。 みんな みんな 愛されたいと 言えずに生きている (「夜明けをくちずさめたら」より)  このフレーズを歌う、彼女の歌唱が実に良い。理屈なしに、涙が溢れてくる。  そして歌詞の内容は奇しくも、離れ離れを余儀なくされている現代にも重なる。 いつの日かとなりに座って 夜明けをくちずさめたら (「夜明けをくちずさめたら」より)  大切な人のとなりに座ること、語り合うことが、許されない今。ソーシャルディスタンスという壁が、人と人との距離を阻む。それでも、心までは離れない。心までは、脅かされない。歌詞のなかで何度も繰り返される通り、みんな〈おなじ月〉を見ている。大切な人に想いを馳せながら、幸せを夢見て、〈おなじ月〉を見ている。  彼女の歌声が、与えてくれる勇気。「大丈夫だよ」と今このときも、ともに〈おなじ月〉を見ているような、そんな気がする。

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