「いつまで続けるのか」 北またミサイル発射 石川県内漁業者が憤り
北朝鮮がまたも短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体を日本海に発射した17日、石川県内の漁業関係者は「いつまで続けるつもりか。怒りで開いた口がふさがらない」と憤りを見せた。日本海でのイカ釣り漁期は終えているとはいえ、立て続けの暴挙に漁業者は神経をすり減らしており、日本政府に厳しい対応を求める声が上がった。 ●イカ釣り漁期終え漁船の被害なし 県漁協小木支所 中型イカ釣り船団の国内有数の拠点、能登町小木港にある県漁協小木支所では、ミサイル発射が確認された直後に政府から速報が届き、職員が情報収集に当たった。県漁協所属の中型イカ釣り船全11隻は昨年12月中旬に今季の操業を終えて小木港などに戻っており、被害はなかった。 日本海では、好漁場「大和堆(やまとたい)」などへ毎年6月から翌年1月ごろまでイカ釣り船団が出漁する。今後もミサイル発射が続き、漁期に漁場周辺海域に落下するような事態になれば影響は大きい。 小木支所の白坂武雄参事は「ロシアや中国など日本以外の周辺国はどう思っているのか」といぶかしみながら、「国から操業自粛を求められ、漁場から締め出されるのを最も恐れている」と語り、漁業者が安全に操業できるよう、国に抜本的な対策を求めた。 県漁協加賀支所ではカニの底引き網船9隻が橋立漁港から約30キロの漁場で操業しているが、17日は出漁していなかった。同支所の橋本勝寿運営委員長は「もう言葉もない。いい加減にしろと言ってもどうしようもないだろうが、国はしっかりと強い抗議の意思を表明してほしい」と述べた。 県漁協は県からの一報を受け、午前9時11分に各支所の職員や組合員らに緊急連絡した。担当者は「漁業者が不安に思って漁に出られないということにならないよう、国には対処してほしい」と話した。