フェデックス、ATR72-600F初受領 プロペラ貨物機
仏のターボプロップ(プロペラ)機メーカーATRは12月16日、航空貨物会社フェデックス・エクスプレス(FDX/FX)にATR72-600F貨物機を初納入した。フェデックスは、2017年11月に30機を確定発注しており、20機をオプション(仮発注)としている。 ATR72-600Fは、70席クラスの旅客機ATR72-600をベースにした貨物機で、前方左側に大型貨物ドアを設け、LD-3貨物コンテナやパレットを搭載できるようにし、バルク貨物も積める。また、アビオニクスは継続的にアップグレードできるようにした。同社によると、地方都市間や離島間など地域航空向けの新造貨物機は世界初だという。 ULD(ユニット・ロード・デバイス)モードでは、88×108インチ(2.24×2.74メートル)のパレット5枚か、最大7個のLD3コンテナを搭載できる。 今年9月に初飛行に成功。最大離陸重量は2万3000キロ、最大着陸重量は2万2350キロ、最大無燃料重量は2万1000キロ、最大ペイロードは9000キロとなる。12月には、EASA(欧州航空安全庁)から型式証明を取得した。 ATR72-600Fの初号機は、アイルランドのシャノン空港に到着。2000年からフェデックスのATR機を運航しているASLエアラインズ・アイルランド(ABR/AG)が運航を担う。フェデックスは、旅客機から貨物機に改修したATR機を40機以上運航しており、新造機のATR72-600Fに更新することで余剰となる2機を、マドリード空港の消防訓練機として寄付する。
Tadayuki YOSHIKAWA