花王、次期社長に長谷部佳宏氏 「人の命を守るという事業領域」へ意欲
花王は29日、トップ交代人事を決定した。21年1月1日付で、長谷部佳宏代表取締役専務執行役員が代表取締役社長執行役員に就任し、澤田道隆代表取締役社長執行役員は取締役会長に就任する。 この日、本社で会見した澤田社長は「8年半やってきた中で、次の花王グループの大きな成長を支えるには新しい事業を創造していかないといけないとずっと思っていて種になる部分は少しずつ出てきたように思うが、見える形にまでできなかったことは事実」と述べ、新規事業の具現化を長谷部次期社長に託した。 新規事業について長谷部次期社長は「花王は長い歴史の中で生活を守る仕事を一生懸命してきたが、これから大きく踏み出そうとしているのは人の命を守るという事業領域。単に医療をやるというだけではなく、衛生環境などについて我々のポテンシャルを最大限にいかせば、おそらくもっと大きく貢献できることがあると信じている」と意欲をのぞかせた。 長谷部佳宏(はせべよしひろ)氏は1960年7月30日生まれ。宮城県出身。1990年3月、東京理科大学工学部工業化学科博士課程修了後、花王に入社。03年7月化学品研究所室長、08年3月ハウスホールド研究所室長、11年3月ビューティケア研究センターヘアビューティ研究所長、14年1月基盤研究セクター長・エコイノベーション研究所長、14年3月執行役員・研究開発部門副統括、15年3月研究開発部門統括(現任)、16年1月常務執行役員、16年3月取締役常務執行役員、18年1月取締役専務執行役員・コーポレート機能部門管掌、18年4月先端技術戦略室統括(現任)、19年1月コンプライアンス担当(現任)を歴任し19年3月から現職。