「パスワード」アプリがすごい!Macのパスワード管理の基本をマスターしよう
最新のmacOS Sequoiaには、「パスワード」アプリが新たに標準搭載されています。このアプリを使えば、パスワードやパスキー、確認コード、「Appleでサインイン」の認証情報などを1つの場所で管理したり、安全ではないパスワードを変更したり、新たなパスワードを作成したりすることができます。ここでは「パスワード」アプリの基本的な使い方をまるっと紹介していきます。 【画像】「パスワード」アプリを起動するには、[アプリケーション]フォルダ、またはLaunchpadからアイコンをクリックしましょう ■ 「パスワード」アプリを設定する macOS Sequoiaに標準搭載されている「パスワード」アプリを起動すると、「“パスワード”はロックされています」という画面が必ず最初に表示されます。 ここでMacのログインパスワードを入力しないとロックを解除できないため、他人に大切なパスワードにアクセスされる心配はありません。 ロックを解除したあとは「パスワード」アプリのメイン画面が通常開きますが、最初の起動時は「パスワード」アプリの説明画面や通知の設定画面が開きます。 また、環境によっては「保存済みパスワードを読み込みますか?」という画面も表示され、パスワードの移行が可能です。これまで別のパスワード管理アプリを利用していた場合は、書き出したCSVファイルを選択してパスワード情報を読み込みましょう。 ■ パスワードを検索する では、ここからは「パスワード」アプリの基本的な使い方を解説していきます。まずはパスワードの検索です。 Webサイトやアプリなどのパスワードが分からなくなったときは「パスワード」アプリを開き、サイドバーで[すべて]を選択。そして画面をスクロールしたり、検索フィールドにアカウントの名前を入力したりして探し出します。 そして目的のアカウントを選択すると、画面右側に詳細情報が表示され、[パスワード]欄にある連続するドットの上にポインタを置けばパスワードが表示されます。 ここで副ボタンクリック([Control]キー+クリックまたは右クリック)すれば、パスワードをコピーすることも可能です。 また、サイドバーには[すべて]というカテゴリ以外に、[パスキー][コード][Wi-Fi]といったカテゴリも用意されています。 パスキーや確認コード、Wi-Fiのパスワードを個別に検索したい場合は、それぞれのカテゴリごとに表示を絞って検索を行ないましょう。 ■ パスワードの安全性を確認する 「パスワード」アプリは、パスワードの安全性を確認するためにも利用できます。 アカウント名の脇に[!]がついている場合は、そのアカウントのパスワードが容易に推測可能だったり、ほかのアカウントで使い回されていたりすることを示します。 実際に[!]がついたアカウントを選択して詳細情報を表示すると[安全なパスワードではありません]や[使い回されたパスワード]などのアラートが表示されるのですぐに気がつくでしょう。 サイドバーの[セキュリティ]カテゴリをクリックすれば、安全性に問題のあるアカウントだけをリストアップすることが可能です。 大切な個人情報を守ったり、不正アクセスを防止したりするために、こうした危険なパスワードはできる限り早く変更するようにしましょう。 ■ パスワードを変更する 「パスワード」アプリが優れているのは、パスワードの変更をアプリ上から実行できるところです。 アカウントにアラートが表示されている場合、詳細情報画面には[パスワードを変更]というボタンが表示されるのでクリックします。 すると、そのアカウントのWebサイトにジャンプするので、サイトにログインしてすぐにパスワード変更の手続きを行なうことができます。 また、たとえアラートが表示されていないアカウントでも、[Webサイト]欄にあるアドレスをクリックすれば、Webサイトを開くことが可能です。 ■ 新規パスワードを作成する 「パスワード」アプリでは、Webサイトやアプリなどで使用するパスワードを新たに作成することもできます。 サイドバーで[すべて]をクリックして上部にある[+]をクリック。すると「新規パスワード」の画面が表示されるのでアカウントのユーザ名やパスワードなどを入力しましょう。 この際、パスワード欄をクリックすると、自分でパスワードを作成しなくても、「パスワード」アプリが安全性の高いパスワードをレコメンドしてくれます。 また、このパスワード作成機能はSafari上でパスワードを設定するときにも利用できます。 こうして作成したパスワードは「パスワード」アプリに記録され、次回そのサイトにアクセスした際はユーザ名やパスワードが自動的に入力されるので、ユーザが覚えておく必要はありません。 Webサイトによってはうまく自動入力されない場合もありますが、その際は「パスワード」アプリからコピーして利用しましょう。 【見出し】 便利な操作&設定を覚えておこう ここまで解説した基本的な事項を覚えておけば、「パスワード」アプリは難なく使うことができるようになるでしょう。ただし、「パスワード」アプリは非常に多機能なアプリです。 たとえば、アカウント名を副ボタンクリックすると、複数のメニューが表示され、そのアカウントの詳細情報を新規ウインドウで開いたり、パスワードをAirDropで共有したり、新規共有グループを作成したり、作成済みのグループへ移動したりすることができます。 また、[パスワード]メニューから[設定]をクリックすると、細かな設定をユーザ好みにカスタマイズすることが可能です。 たとえば、デフォルトではオフになっている[メニューバーに“パスワード”を表示]をオンにすれば「パスワード」アプリをメニューバーからすぐに開くことができます。 また、[漏えいの危険があるパスワードを検出]にチェックを入れれば、Macが自動的にパスワードを監視して、Appleが保持する既知の漏洩パスワードの中に自分のパスワードが含まれている場合に警告を出してくれます。 「パスワード」アプリの基本的な使い方に慣れたら、いろいろな操作や設定を試してみてパスワード管理を強化してみましょう。 ■ すべてのパスワードを一箇所で Macでパスワードを管理するには、これまで「キーチェーンアクセス」という標準ソフトを利用するのが一般的でした。 しかし、キーチェーンアクセスは[アプリケーション]→[ユーティリティ]フォルダ内にあるため、ユーザがその存在に気づかない可能性がありました。 また、その名前から、パスワード管理のためのソフトだと認識されにくかったように思います。 近年のmacOSでは「システム設定」の[パスワード]項目や、Safariの「設定」→[パスワード]からも保存したパスワードにアクセスできるようになっていますが、複数の場所に存在するのが分かりにくいと感じる人も多かったはず。 そうした中で、macOS Sequoiaで新たに搭載された「パスワード」アプリは、初心者にとってもパスワード管理のアプリだと分かりやすく、またパスワードの確認や管理、作成、安全性のチェックなどが一箇所で行なえるので便利です。 また、「パスワード」アプリはiOS 18を搭載したiPhoneや、iPadOS 18を搭載したiPadにも標準搭載されており、iCloud経由でパスワードが同期されます。 インターネットを安全にアクセスするためにパスワード管理の重要性が年々高まっている中、Appleデバイスには欠かせないアプリなので、しっかりと使い方をマスターしておきましょう。
PC Watch,松山 茂