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モナコの新スポーツディレクター、ポール・ミッチェルとは何者か?

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文 小川由紀子  6月にモナコのスポーツディレクターに招聘されたポール・ミッチェル。フランスではほぼ無名の彼だが、リクルート界では慧眼の持ち主として数年前から話題の存在だった。

リクルーターとして大成

 今年8月で39歳。マンチェスター近郊の出身で、マンチェスター・シティとウィガンのアカデミーで育成を受けた後、ウィガンでプロデビュー。その後もハリファクス・タウン、スウィンドン・タウン、ミルトンキーンズ・ドンズなど下部リーグでプレーし、プレミアリーグ経験はないまま、足首のケガにより27歳という若さで現役を引退した。  しかしその後、リクルーターに転身してから彼のキャリアは花開く。引退時にプレーしていたMKドンズで活動を開始すると、サウサンプトンのリクルート部門責任者となり、そこでタッグを組んだマウリシオ・ポチェッティーノ監督に請われる形でトッテナムに移籍。そこでもリクルート部門のディレクターを務めた。  2016年にスパーズを離れることになった時には、すでに業界では注目の存在となっていて、マンチェスター・ユナイテッドやパリ・サンジェルマンも獲得を目指す中、彼が選んだのはRBライプツィヒだった。  ちょうどブンデスリーガ1部に昇格したシーズンで、昇格初年度にして2位と大躍進。今季もUEFAチャンピオンズリーグで準々決勝に勝ち進むなどその後も上位をキープしているが、その影にはラルフ・ラングニックの片腕としてリクルート部門を担ったこの男の存在があったわけだ。  さらにオーストリアの本家だけでなく、ニューヨークやザルツブルグ、ブラジルのブラガンチーノなど、レッドブル傘下の兄弟クラブも管轄し、ミッチェルのネットワークはグローバルに拡大している。

方向性を見失ったモナコ

 彼が最も得意とするのは、下部リーグから原石を発掘することだ。RBザルツブルクにいたサディオ・マネにプレミアリーグのキャリアを拓き、デレ・アリやトビー・アルデルワイレルド、ソン・フンミン、キーラン・トリッピアー、グラツィアーノ・ペッレ、デュサン・タディッチらの発掘にも携わった。  ライプツィヒでは24歳以下の即戦力にターゲットを絞る明確な戦略で、元PSGのクリストファー・エンクンク(21)、ダニ・オルモ(21)らをリクルートしている。  モナコは、キリアン・ムバッペらがリーグ優勝を果たした2016-17シーズンの栄光がはるか昔の話に思えるほど、その後は不安定な時期を送っている。  特に18-19シーズンは、4年間指揮を執ったレオナルド・ジャルディム監督を解任してクラブOBのティエリ・アンリを迎えたものの、うまくいかずに3カ月でまたジャルディムを呼び戻すという大混乱。それがそっくり成績にも影響し、17位とギリギリで降格を免れる有様だった。  その背景には、SDの人事も関係している。  ポルトガル人のルイス・カンポスが司った2013年以降は、同胞の辣腕エージェント、ジョルジュ・メンデスとのリンクをフル活用してファルカオやハメス・ロドリゲス、ジョアン・モウティーニョ、ベルナルド・シウバら好プレイヤーを獲得。  それだけでなく、チーム内にはキャラクターや安定感が育まれていた。2016年夏に彼がクラブを去った翌年にモナコは優勝したが、このチームはカンポスが残した遺産だと言える。  しかし彼の離脱後は、元チェルシーのSDマイケル・エメナロなどディレクターも入れ替わり、方向性を見失った感が否めない。前述の監督交代のゴタゴタもしかりだ。

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