宇宙ステーション「天宮」の完成を目指す中国、2022年のロケット打ち上げ数は前年以上に!
2021年、中国は合計55機のロケットを打ち上げましたが、今年はさらに多くのロケットが中国を飛び立つことになりそうです。 中国の国有宇宙開発企業である中国航天科技集団(以下、CASC)は3日、40機以上のロケットを2022年に打ち上げる予定だと発表しました。CASCは2021年に「長征」ロケットシリーズ48機の打ち上げに成功しています。 CASCが2022年に予定している打ち上げのなかには、中国宇宙ステーション「天宮」に関連する6つのミッションが含まれています。その内訳は有人宇宙船が2機、無人補給船が2機、そして天宮に接続される実験モジュールが2機となっています。 最初は無人補給船「天舟」4号による補給ミッションです。同船は文昌衛星発射場から「長征7号」ロケットを使って打ち上げられ、天宮のコアモジュール「天和」にドッキングします。同船の打ち上げは、有人宇宙船「神舟13号」で天宮に到着した宇宙飛行士による設備や科学装置等の搬送ミッションが完了した後となる3~4月頃の見込みです。 天舟4号に続いて実施されるのは、天宮への3番目の有人飛行ミッションとなる「神舟14号」の打ち上げです。同船に搭乗する3人の宇宙飛行士は、1機あたり20トン近くある2つの実験モジュール「問天」と「夢天」の到着に備えて「天和」に乗船するといいます。実験モジュールはそれぞれ6月と8月頃に天宮へ到着する模様です。
これら実験モジュールの打ち上げと到着によって、T字型に結合した3つのモジュールで構成される宇宙ステーション「天宮」が完成します。その後は2022年の後半に有人宇宙船「神舟15号」と無人補給船「天舟5号」が打ち上げられる見込みです。 SpaceNewsは、2つの実験モジュールが「長征5号B」を使って打ち上げられるによるリスクに焦点を当てています。長征5号Bはコア・ステージ(1段目)が21トンもある巨大な打ち上げロケットで、過去には2020年と2021年に合計2回打ち上げられましたが、いずれも制御不能な状態で大気圏に再突入するという事態が発生しました。