布袋寅泰さんと東京パラリンピック開会式で共演した縁 車いすと全盲のギタリストが再び同じステージに「ちょっと前向きな気持ちになってもらえれば」
ハンディキャップをものともしないギタリストの共演です。東京パラリンピックの開会式で布袋寅泰さんとも共演した、長野市の車いすのギタリストと山口出身の全盲のギタリストが同じステージに立ちました。
♪ステレオキャスター ギターをかき鳴らす二人。車いすのギタリスト川崎昭仁さんと全盲のギタリスト、田川ヒロアキさんです。二人の共演はある縁によって実現しました。
川崎さんは長野市出身。幼いころの原因不明の高熱で手足にまひが残りました。その後、障害がある人がギターを弾く姿に衝撃を受け、自身も猛練習。独自の演奏法を編み出しました。1998年の長野パラリンピックに合わせて開催された「アートパラリンピック」では、川崎さんが作詞・作曲した曲がテーマソングになりました。 川崎昭仁さん: 「選手だけじゃなくて、頑張っている人たち、夢に向かって、そういう人たちにエールになるような曲になればと作った」
田川さんは山口県下関市の出身。生まれつき目が不自由で中学生の頃に「全盲」になりました。ギターを始めたのはちょうどそのころ。 田川ヒロアキさん: 「ギターを弾き始めた頃だったので、それが楽しくて楽しくてしょうがないような。光が見えなくなろうがどうだろうが、それから自分なりに工夫してギターを覚えていって、また新たな光を自分が手にしたみたいな」 演奏の他、CMやイベントのイメージソングを手掛けるなど幅広く音楽活動を続けています。 田川ヒロアキさん: 「たまたま見えなかったっていうだけのことで、私にとっては音楽をやる上ではほとんど関係ない。むしろ自分が見えないっていう人生っていうのは本当に良かったなと、だからこそギターを弾くことができたし、いろんな方々と出会うことができた」
ハンディキャップを背負いながら活躍してきた2人が出会ったのは3年前。東京パラリンピックの開会式で布袋寅泰さんとセッション。「デコトラバンド」のメンバーとして一緒に式を盛り上げました。その縁で、長野県上田市で行われた田川さんのライブに川崎さんがゲスト出演したのです。 MC 田川ヒロアキさん 「布袋さんが円陣を4人で組んで、『おれたち今から世界一のロックンロールバンドになるんだ、かっこよくいこう』って言ってくれた。最高の瞬間でしたね、あの空間は。布袋さんが、Charさんと一緒に弾いている曲を川崎さんとやってみようかなと思います。ステレオキャスターという曲を演奏してみたいと思いますので聞いてください」 ♪ステレオキャスター 観客: 「去年も来て、すごく感動して、楽しかったので、今年は友達を誘ってきました。二人の共演がものすごく素敵で楽しかったです」 「来年は一番うしろの一番端っこで踊りたい、飛び跳ねたいと思いました」