「日本の子どもには足りていない」全米No.1大学の特待生の娘を育てたシングルマザーが、“アメリカの教育”を見て納得したこと
まずは「やってみたい」という気持ちを育むことが大事
とはいえ、ピアノでもバレエでも英語でも、なんでもかんでもやらせてみればいいというわけではありません。時間にもお金にも限りがありますし、そもそも子ども自身が「やってみたい」という気持ちを持っていなければ、何をやらせてもいい結果を生まないでしょう。
子どもを「チャレンジ慣れ」させるアメリカ式教育システム
先ほど、私が留学先で出会った外国人はみな「チャレンジ慣れ」していたとお伝えしましたが、アメリカで子育てをしていたときも、私はよく「アメリカ人の子どもは、日本人の子どもに比べ、チャレンジすることに慣れているな」と思っていました。 はじめのうちは、それはアメリカ人の気質なのかと考えていたのですが、時間が経つにつれ、それは誤解で、日米の教育システムに違いがあることに気づきました。
サマーキャンプでさまざまなことにチャレンジできる
たとえば、海外でよく行われている、子ども向けの「サマーキャンプシステム」をご存じでしょうか。キャンプ場にテントを張って寝る、あの「キャンプ」ではなく、夏休み期間にさまざまな団体が行う教育プログラムのことです。 プログラムの内容は多岐にわたり、理科の実験、プログラミング、スケボー、ダンス、クライミング、乗馬、料理、陶芸、絵画、楽器など……、それこそ星の数ほどの種類の講座があります。 大体が日帰りで、数時間のワンデイの講座が多いのですが、なかには1週間の長期プログラムなどもあります(自宅から通える範囲で開催されるものに申し込むのが一般的です)。毎年人気の講座はすぐに埋まってしまうので、春先から申込日をチェックして、カレンダーに記入するほどです。 また、アメリカでは学校のクラブ活動も日本のそれと仕組みが違います。 学期ごとに全員がクラブ活動を変えるのです。数カ月で変更できるので、「どのクラブにしようか」と深く悩む必要もありませんし、たくさんのことを経験できます。そのなかで、気に入ったものがあれば、放課後の習い事へと発展させればいいわけです。 友人の息子さんは、学校の音楽クラブで習ったドラムを気に入り、親に巧みにプレゼンして、クリスマスにドラムセットを買ってもらい、それから何年もドラムのレッスンを受けていました。 日本では、サマーキャンプのようなシステムはありませんが、「習い事」を頻繁に変えることで、同じような経験をさせることができます。そのことについて、辞め方のコツも踏まえながら次回詳しくご紹介します。