中国10年債利回り、初の1.8%割れ-本土株は大きく下落
(ブルームバーグ): 中国国債は13日の取引で値上がりし、指標の10年債利回りが初めて1.8%を下回った。本土株は大きく下落した。
来年の政策優先事項を定める「中央経済工作会議」が12日に閉幕し、共産党指導部が利下げや預金準備率の引き下げを「適切な時期」に行う方針を示したことから、中国国債が買われた。
一方、本土株の指標CSI300指数は13日の取引を2.4%安で終了。共産党指導部が相次ぎ景気支援を表明しているものの、財政刺激策の具体的な内容について投資家は引き続き推測を強いられている。
香港上場の中国本土企業から成るハンセン中国企業株(H株)指数も、2%を超える下げとなっている。
世界市場では、中国需要に大きく依存する鉄鉱石や銅などの商品が値下がり。リスク資産に対する投資家の買い意欲が低調なのは、中国刺激策のより詳しい内容開示が依然として待たれていることの証左だ。
第2次トランプ米政権発足で緊張が高まるタイミングを控え、中国政府が政策の詳細を意図的に保留している可能性があるとの指摘もあるが、市場の反応は投資家の信頼回復という課題に当局が直面していることをあらためて示している。
IGアジアのマーケットストラテジスト、ジュンロン・イープ氏は「政府の借り入れ拡大や財政赤字の増大容認、来年に向けた金融緩和が主な政策内容だが、詳細はまだ明らかにされておらず、これが市場の利益を制限する可能性もある」と説明。
「米国の関税計画を巡る不透明性により、政策当局は引き続き確約するのが難しい」との見方を示した。
原題:Chinese Yields Hit Record Low as Leaders Reinforce Rate Cut Bets、Chinese Stocks Fall as Key Meeting Fails to Deliver Surprise(抜粋)
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Tian Chen、Iris Ouyang