京都市バス運転士たりなくて「非常事態宣言」…休暇取得率や「年収1000万」アピールし募集
ただ、運転士不足は今後も続く見込みだ。「自転車操業で厳しい状況には変わりないが、今後も処遇改善などに取り組み、市民生活になくてはならない市バスを守っていきたい」と話した。
観光客対応に負担感も
週休2日を目指し、営業所の女性専用施設を充実させるなど、交通局は働き方改革に取り組むものの、増え続ける観光客への対応など、労働環境の変化による<しんどさ>はなかなか対処しづらい面がある。
40代の男性運転士は「約10年前に比べると、倍ほどに月の公休出勤が増えた」と嘆く。代休は取れるものの、臨時便が運行される観光シーズンなどでの負担感は増しているという。「観光客へのきめ細かな対応も求められるため、精神的にもしんどい」と話す。
男性は「安心・安全・快適に目的地まで届けるというのはやりがいのある仕事。まだ先行きは不透明だが、宣言に期待したい」と願う。
民営バスでも運転士不足は深刻化しており、減便や廃止を余儀なくされる路線が後を絶たない。
京都市内全域を走る京都バスは2024年3月末から、約1割減便した。また始発の繰り下げや終発の繰り上げも行った。京阪京都交通でも今秋、緊急措置として減便してきたダイヤを基本とする改定を行うなどした。
丹後海陸交通(与謝野町)は府北部3市2町で運行する路線バスについて、順次廃止を進めている。10月からは3路線、来年4月からは4路線を廃止する。担当者は「慢性的な運転士不足が原因で、苦渋の決断だった」と話した。