「もう日本企業の視察は受けたくない」中国企業が日本人の“深圳視察”を嫌悪した決定的理由
平均年齢20代の集いに突撃
2021年1月、深圳在住の日本人たちが新年会を開くというので、お邪魔したところ、まず驚いたことがある。 「うわー若い! 皆さんおいくつですか?」 「私は25歳です」 「28歳です」 「24歳です」 「本当ですか? みんな20代じゃん、俺オッサンだ。ちなみに俺のこと知ってます?」 「知ってます! 竹内さん、中国でめっちゃ有名ですよ!」 日本の若者たちにも知られていることは嬉しかったが、それ以上に、日本の若者たちが深圳で頑張っていること、そして彼らの中国語がとても流暢だったのが嬉しかった。
中国市場で成功するには
私の知り合いの在中国日本人たちは、若くても30代後半で、多くは40代から50代が中心だった。彼らは大手企業の駐在員であり、中国に派遣されて来る人は課長クラスの人なので、必然的に年齢が高い人が集まる。さらに彼らには通訳が付くため、中国語が上手い人にもあまり出会ったことがない。 個人的には、中国市場を開拓しようと思えば、日本のやり方に染まってしまった中間管理職よりも、エネルギッシュな20代を中国に送り込んだ方が絶対に成功率は上がると思う。なぜなら中国市場のスピードやエネルギーに年配層がついていくのは大変だからだ。仕事のやり方も全く違うため、頭が柔らかい20代を送り込んだ方が柔軟に対応できる。 中国で失敗する日本企業の多くは、中国に派遣された駐在員が日本のビジネスのやり方を中国に押し付け、それが通らないと、「やっぱり中国はダメだな」と相手のせいにしてしまうパターンだ。こういう人が絶対に中国で成功しないことは、逆に考えれば簡単に分かるだろう。中国企業の50歳の幹部が日本市場に来て、日本語も話せず、中国ビジネスのやり方を押し付けて来たら、彼が日本で成功するわけがない。
中国の四字熟語で「入郷随俗」という言葉があるが、日本語で「郷に入っては郷に従え」という意味であり、外国に行ったらその国のやり方に合わせることは、日中に共通した概念なのである。 さて、新年会で出会った日本の若者たちは、私のイメージを覆すほどエネルギッシュで、語学の才能にもあふれていた。テンセントでゲームを作っている20代の女性や、深圳で投資企業を立ち上げて数百億円の売り上げを誇る男性など、多種多彩だった。主人公を一人に絞って撮影するつもりだったが、魅力的な若者が多かったため、数人をピックアップし、番組史上初めての「群像劇」を描くことに決めた。