初共演となった堤真一（左）と山田裕貴（右） - (C)2025「木の上の軍隊」製作委員会

　作家・井上ひさしによる原案を基に、こまつ座にて上演され人気を博した舞台「木の上の軍隊」が、堤真一と山田裕貴のダブル主演で映画化され、終戦80年となる2025年7月に全国公開（6月13日沖縄先行公開）されることが決定した。 【画像】映画『木の上の軍隊』ティザービジュアル 　「木の上の軍隊」は、太平洋戦争末期、日本で熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄で、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた日本兵2人の実話を基にした物語。宮崎から派兵された上官・山下一雄を堤が、地元沖縄出身の新兵・安慶名セイジュンを山田が演じる。監督は、沖縄出身の平一紘が務め、撮影は全編沖縄、木の上のシーンは実話と同じく伊江島で、実際に生えているガジュマルの木を活用して行われた。

　初共演となる主演の堤と山田は、「難しい役だと色々考えていたけれど、真っ直ぐな安慶名そのものの山田くんのおかげで二人だからこそ生まれたものをそのままやっていけばいいんだと思えた」（堤）、「堤さんの実在する力が凄く、お芝居せずに反応できる、役を生きるということができた」（山田）と互いに絶賛し、相性の良さをうかがわせるコメントを寄せた。

　また、原作のモデルとなった実在の日本兵と同年代で、沖縄出身の平監督は、本作の映画化にあたり「僕は、沖縄で生まれ育ち沖縄戦について沢山知っているつもりでした。しかし、この映画を撮る為にあらゆる角度で取材し、あの戦争を見つめた時『木の上の軍隊』で皆さまに見せたい景色が見えてきました。沖縄で撮ったということ。伊江島で撮ったということ。生きた樹で撮影したこと。それらは全てスクリーン上で皆さまに肉迫するでしょう。本当に起きた事の恐ろしさと、素晴らしさをご覧頂きたいです」と本作への熱い想いを明かした。

　併せて公開されたティザービジュアルは、全面に写し出された大きなガジュマルの木とタイトルのみのシンプルな構成ながら、静かに強烈な何かを訴えてくる一枚となっている。（高橋理久）