「地上波は黒塗りなのに…TVerはOK」フジテレビ役員が明かした『古畑任三郎』SMAP問題の裏側
後手後手の対応がさらに印象を悪化させている――。 フジテレビは6月5日、同局で定例社長会見を行い、故・田村正和さん主演の『古畑任三郎』シリーズの再放送において、オープニングで歴代の犯人をバックに古畑が話すシーンでSMAPメンバーだけが“黒塗り”で潰されて放送された経緯を説明した。 【写真あり】『古畑任三郎』が話題の田村正和 本誌だけに見せたカッコイイ「生前最期の姿」 この件について、矢延隆生専務取締役は 「制作の詳細については控える」 としたうえで 「“事務所からの要望”ではありません」 と明かした。さらに 「TVerでは加工せずに配信することになりました」 と報告した。実際に確認してみると確かに古畑の右上最上段にSMAPの5人が並んでいた。 この発表にSNSなどでは 《この黒塗りフジテレビが自らやったんだ。事務所の要望もないのに。許せない。最低すぎる》 《加工なしで配信できるなら最初からそうしろ》 《フジテレビの判断で事務所に忖度? あれ以降もフジテレビは何も変わっていない》 《#フジテレビはSMAPいじめをやめろ》 などと批判の声が多く上がっている。 一体どういった経緯でこのような事態になったのか。 「再放送するには権利処理をする団体を通すか、加盟していない事務所は個別に許諾を取る必要があります。旧ジャニーズは退所したタレントであっても権利にうるさいことで有名です。 しかしそれは“使う”場合の話。出演部分を使わずにカットしたり、今回のように“黒塗り”にして消すのなら、事務所に許可を取らずテレビ局の判断で放送可能なんです」(テレビ局関係者) 前出のフジテレビ専務が“事務所の要望ではない”と明かしている以上、“黒塗り”対応はテレビ局側の“独自判断”ということになる。 「SMAPの映像などは、事務所から許可を取るのは非常にハードルが高いので、フジテレビ側が事務所と交渉することなく、自主的に“黒塗り”にしたということ。しかし黒塗りにして大炎上したため、“写真だけ”ということで、TVerで使わせてもらうことになったのでしょう。 あの回はSMAPが本編に登場するわけではなく、あくまで背景の写真のみ。どの事務所もですが、動画より静止画のほうが許諾は下りやすいんです。SMAPの動画や再放送のハードルは、極めて高いままだと思います」(同・テレビ局関係者) 確かに黒塗りはやめたが、今回の30周年を記念した一挙再放送ではSMAP5人の回は放送されていない。 そもそもフジテレビがSMAPで炎上したのはこれが初めてではない。 かつて人気バラエティ番組『SMAP×SMAP』を1996年から’16年までの20年間放送していた。SMAPの独立騒動の報道が出始めると’16年1月18日に事務所が同番組で緊急生放送として5人を並べて謝罪させたことが“公開処刑”と物議を醸し、SMAPにもフジテレビにも“黒歴史”となった。 フジテレビは特にSMAP5人の映像を多く保有している局といえる。独自の判断で“黒塗り”にしたことで、またも“黒歴史”となってしまったようだ――。
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