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収入ゼロでも「生活保護は恥ずかしい」男の心理

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東洋経済オンライン

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。  「健康保険料も住民税も滞納してるのに、人様の税金のお世話になるなんて……。肩身が狭いし、申し訳ないです。いい年して食べるものや住まいのお金も自分で用意できないと思われるのは、恥ずかしくて嫌なんです」。ヤスユキさん(仮名、40歳)は生活保護を利用しない理由をこう説明する。 【データで見る】新型コロナウイルス 国内の感染状況

 日雇い労働者として建設現場などで働いてきた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事を失い、ネットカフェの休業で住む場所も失った。持病の喘息が悪化する中で路上生活も経験。民間の支援団体の関係者からは生活保護を申請してはと促されたが、「もう少しだけ頑張ってみます」などと言ってやんわりとかわしてきたという。ヤスユキさんは取材に対しても「生活保護は恥ずかしい」と繰り返した。 ■借金の肩代わりから始まった貧困

 出身は東北地方。高校卒業後、溶接工として働いた。さまざまな資格も取得。地元では腕のいい一人親方としての信頼も厚く、仕事の依頼は途切れることはなかった。年収は600万円ほどあったという。  人生の風向きが変わったのは20代半ば。知人から「母親が病気になった」などと泣きつかれ、ヤスユキさんの名義で複数の消費者金融業者から借金をしたのだ。総額150万円ほど。ほどなくしてその知人とは音信不通になった。返済は続けたものの、元金がほとんど減らないことから「ばからしくなって」次第に支払いが滞るようになったという。

 あるとき、新しくクレジットカードを作ろうとしたところ、自分の返済遅延の情報がいわゆるブラックリストに載っていることを知らされ、初めて事態の深刻さに気がついた。借金のせいで両親との関係も悪化。いっそ東京で再起をはかろうと、3年前に都内に拠点を移したのだという。  ただ、現実は厳しかった。それまでの実績とは関係なく、東京では会社に登録して日雇い労働者として働くしかなかった。1現場8000円ほどで、個人事業主時代の半分以下。

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