【オークス】強力2頭出しで臨む高野厩舎 〝血のロマン〟あふれるスタニングローズ&ナミュール
[GⅠオークス=2022年5月22日(日曜)3歳、東京競馬場・芝2400メートル] 「薔薇一族」の悲願なるか。前走のフラワーCでローズキングダム(2011年京都大賞典)以来となる実に11年ぶりの重賞タイトルを一族にもたらしたのがスタニングローズ。関係者、そしてファンの夢を乗せ、オークスで初の牝馬クラシック制覇に挑む。
「薔薇一族」とのただならぬ縁
「この血をさらに発展させられたら…」と意気込むのはスタニングローズを管理する高野調教師。この血統には特別な思い入れがある。かつて勤務していたノーザンファームを発展させた功労馬の一頭が、スタニングローズの4代母となる薔薇一族の祖ローザネイ。「その血を引く馬でクラシックに出させてもらえるのは、牧場で働いていたものとして本当にうれしい」と思いをはせる。 そのローザネイの子であり、重賞5勝を挙げたロサードには自身も直接関わった。 「僕が働いていた厩舎にいた馬で、小さな体でものすごく走ってくれました。(世代的には)離れているので、スタニングローズと似ているところはないですけど(苦笑)。でも、そういうのは好きなので。まして(父の)キングカメハメハといえばマツクニさんですから」 調教助手として所属していた松田国英厩舎の大エースであり、種牡馬としては現3歳が最終世代となるキングカメハメハ。その貴重な血を引くスタニングローズには、偉大な父の影響も色濃く出ている。 「ボディーパーツに関しては、父親から受け継いでいるものが多いように感じます。この時期としては馬格があって、やや牝馬離れしている馬ですね。お父さんからいい遺伝子を引き継いでいるのだと思います」 父はずぬけた能力で04年日本ダービーを制した。その血が同じ舞台で覚醒すれば…。 フラワーCからひと息入れたことで「体の隅々までエネルギーが充満している感じです」とトレーナーが胸を張るほど、馬はまさに充実一途。2400メートルを乗り切るうえでは必須の折り合いについても「こぶし賞は超スロー(前後半4ハロン50秒8―46秒1)で一頭だけ外を回していたから、負けても全然おかしくなかった。そこで勝ち切ったのは大きかったですね。ドスローで壁のないところでも我慢しきったので、折り合いは大丈夫だと思います」なら期待は膨らむばかりだ。