わが家は「築52年」ですが、生活保護を受けるなら売らなければいけませんか?「資産価値」はないと思うのですが…
「生活保護制度」はいざというときのセーフティネットで、生活困窮者に対して、必要な保護を行ってくれる制度です。では、自宅がある場合、生活保護を受けることはできるのでしょうか。 「築52年」の家を持っている人を例に挙げて、解説していきます。あわせて、生活保護を受けるための要件や、手続きの流れも紹介していきましょう。
生活保護の要件とは?
生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度のことです。生活保護を受けるための要件を満たしていれば、困窮の程度に応じて保護を受けることができます。生活保護は個人ではなく、世帯単位で行います。そのため、世帯全員が次に記載する要件を満たさなくてはなりません。 まず、資産がないこと。預貯金があってはいけません。また、生活に利用されていない土地・家屋があれば、売って生活費に充てる必要があります。 次に、働くことができれば、働かなくてはなりません。そして、年金や手当などを受給することができるのであれば、生活保護よりも優先して受けるようにします。さらに、親族から援助を受けることができるかどうか聞いてみましょう。 これらの要件を満たしたうえで、世帯全体で得られる収入が厚生労働大臣の定めた最低生活費よりも低い場合に保護費が支給されます。年金や手当などの収入がある人は、最低生活費からこれらの収入を引いた額を受け取ることが可能です。 例に挙げた世帯は「築52年」の家を所有しています。こうした要件をふまえると、生活保護を受けるためには自宅を手放す必要があると思われるかもしれません。 しかし、「築52年」であればほぼ資産価値はないかもしれません。資産価値がなければ売却できず、あるいは安値でしか売却できなければその後の賃貸料の方が高くつくこともあります。そのため、家を所有していても生活保護を受けることができるかどうか、住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当まで相談してみましょう。