小さくても広い車内。日本向けな英国スモールSUVの名は「Eペイス」と「イヴォーグ」
スモールSUVなら街中や駐車場での取り回しもラクにできるが、ボディが小さくなれば、居住空間やラゲッジスペースがどうしても狭くなる。 ところがジャガー「Eペイス」とレンジローバー「イヴォーク」は、そんな二律背反をサラッと両立してしまう。
そもそもこの2台を初めて見た人は、車が発する風格からスモールSUVとはまず思わないはずだ。だが実際には2台ともメルセデス・ベンツ「GLA」(4415mm)よりも短い。 「Eペイス」と「イヴォーク」に見た目と数値のギャップを感じるのは、ラージサイズのSUVなみに余裕がある“全幅”にある。
日本車だとトヨタ「ハリアー」が1855mm、日産「エクストレイル」が1820mmと1800mm台。しかし「Eペイス」と「イヴォーク」は全幅が1900mm台にのる。そのため居住性や積載性に余裕が生まれるのだ。 例えば大人5人で移動しなければならなくなって、後部座席に3人が横に並んでも快適に座れるし、ラゲッジスペースも5人乗車時で「Eペイス」は577L、「イヴォーク」は591Lと十分な広さが与えられている。 もちろんこの“幅”がもたらすサイズ感は、SUVらしい力強さや優雅な雰囲気を表現する上で欠かせないものであることは言うまでもない。
スポーティさに、全幅の信頼を置く
ジャガーといえば“高級”であるだけでなく、流麗で、スポーティなモデルを作り続けているブランドだ。それはたとえスモールSUVになろうとも変わらない。 「Eペイス」はタイヤを車体の四隅に配置し、広いトレッド幅によってスポーティさを演出。リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインもスポーツモデルのような雰囲気を強調している。 フロントライト内には“Jプレート”と名付けられたシグネチャーライトを配置。また、フロントウインドウには小さく親子のジャガーがプリントされるなど、遊び心も盛り込まれている。
メーターや操作系がドライバーを取り囲むように配置された運転席は、コックピットと呼ぶのにふさわしいデザイン。 そして大開口のパノラミックルーフによりキャビン内に自然光が優しく降り注ぐのが気持ちいい。