新しい「ノア」「ヴォクシー」はココがスゴい!高い利便性を低価格で実現した多彩な“からくり”
8年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたトヨタのミッドサイズミニバン「ノア」と「ヴォクシー」。従来モデルはコスパの高さなどでヒットを記録したものの、安全装備を中心に、ライバルに対して見劣りする部分が少なからずあった。 【インテリア・エクステリアなどすべての写真を見る(全30枚)】 その点新型は、プラットフォームからパワートレーンまで大胆に刷新。さらには、ナビゲーションといった快適装備や安全装備にまで、トヨタの最新フェーズのものが採用されている。その進化の内容は「そこまでやるか!」とうならされるものだ。 そんな新しいノアとヴォクシーの魅力を、2回に分けてご紹介。第1回目となる今回は、デザインやユーティリティを中心にフォーカスする。
2台とも新型へ生まれ変わったのは今のトヨタでは異例
デザインやメカが完全に刷新された新しいノアとヴォクシー。まずは両車の立ち位置と2台を取り巻く環境についておさらいしておこう。 ノアとヴォクシーが属すのは“Mクラスハイト系ミニバン”というカテゴリーで、日本のミニバン市場で最もボリュームの大きいゾーン。このカテゴリーに属すミニバンはすべて、全長や全幅を5ナンバーサイズほどに抑えながら、背を高くして広い室内を実現し、優れた実用性を確保している。 ノアとヴォクシーの直接的なライバルとなるのは、ホンダの「ステップワゴン」や日産自動車の「セレナ」といった辺り。中でもここ5年ほど、ヴォクシーはセレナと激しく販売台数のクラストップを争っており、1位の座をセレナに譲る年もあったほどだ。しかし、実質的に見た目が異なるだけのノアを合わせてカウントすれば、ノアとヴォクシーのクラスナンバーワンという地位は揺るぎないものとなっている。 そんなノアとヴォクシーの従来モデルは、カローラ店向けにノア、ネッツ店向けにヴォクシーと、販売チャネルに合わせてデザインや性格を変えていた。いわば販売店に合わせて仕立て直した兄弟車だったのだ。 しかし2020年5月から、トヨタの販売店は“全車種併売性”に。それによりカローラ店でもネッツ店でも、さらにいえばトヨタ店やトヨペット店でも、トヨタの看板を掲げているすべてのディーラーで、すべてのトヨタ車を扱うようになったのだ。そのため、各販売店に合わせた兄弟車を設定する必要がなくなり、「タンク」や「レジアスエース」といったモデルはあえなく消滅してしまったのである。 つまり、今回のフルモデルチェンジでいずれかに統一されてもおかしくない状況にあったノアとヴォクシーだが、どちらかが消滅することなく2台とも新型へと生まれ変わったのは、今のトヨタにとって異例のことなのだ。その理由は「ノアもヴォクシーも売れているから」というひと言に尽きるだろう。