ハボタンおめかし 結婚式にいかが? 大分県立農大校が染色技術開発
需要期を拡大、単価もアップ
大分県豊後大野市の県立農業大学校は、ハボタンの染色技術を開発した。黄、ピンク、紫などに染め、正月中心の需要をブライダルなどに広げる狙い。2020年度から市場に試験出荷を始め、従来品の約5倍の価格で販売。21年度は染色液の作り方を県内の生産者に公開し、11戸が生産を開始した。 これまでハボタンは12月に出荷が集中し生産者の負担となっている。同校は染色で需要を広げ、出荷時期を11月から翌年2月のフラワーバレンタインまで拡大を目指す。ハボタンの染色は全国的に珍しく、染めやすさや日持ちなど、適する染料を職員と学生で研究・開発した。 淡く染色したハボタンは「華やかで使いやすい」と好評。20年度に市場出荷を始め、一般的なハボタン(1本平均約60円)の5倍に当たる同300円で販売した。 21年度は県内の生産者に染色液の作り方を公開し、11戸で約2000本の出荷を予定。「プリンセス・リーフ」の名でブランド化を目指す。染料は価格が安い食紅を中心とし、生産者のコスト負担はごくわずかだ。生産者や県、JAおおいたなどで構成する研究会が発足し、品質の統一や研修を行う。 研究に携わった同校総合農産科花きコースの西尾隆馬さん(19)は「今後は染色技術を他の花にも生かし、若い人にも興味を持ってもらえるように、好みに合った花を作りたい」と展望する。
日本農業新聞