響け!復興の和太鼓 新曲「志賀起心」ゆかりのプロ奏者提供
●11月の町内催しで初披露 国内外で活躍するプロの太鼓奏者、西口勝さん(41)が、志賀町の復興を願う和太鼓オリジナル曲「志賀起心(きしん)」を作った。西口さんにとって志賀は約30年前に開催された全国大会で、最年少で準優勝に輝いた思い出の地。繊細なリズムと力強い音で未来に向かう志賀の姿を表現した曲は「復興の鼓動」として町のイベントなどで披露される。 西口さんが志賀町で開かれた太鼓の全国大会で準優勝したのは12歳の時。これをきっかけにプロの道に進むことを決意し、現在はプロ和太鼓団体「和楽団ジャパンマーベラス」団長として太鼓の演奏や指導で国内外を行き来する一流の太鼓奏者となった。 地震後、能登各地で復興支援を行ってきた金沢福祉専門学校の青木陽一良理事長が、志賀は太鼓の町であることを知り、つてを頼って西口さんに楽曲提供を依頼した。西口さんは「復興に向けて動いている志賀町に恩返したい」と快諾した。 西口さんが手掛けた「志賀起心」は町無形文化財「志賀の太鼓」のリズムを中心に展開され、締太鼓の繊細なリズムと大太鼓、長胴太鼓の力強い音で構成される。 11月10日に町文化ホールで開催されるイベント「これでもか!太鼓」(北國新聞社後援)が初披露の場となる予定で、地元の志賀天友太鼓、志賀疾風(はやて)太鼓保存会など町内7団体に所属する中学生から60代までの約30人が練習に励んでいる。月1、2回のペースで町を訪れ、指導に当たる西口さんは「復興の象徴となる力強い演奏にしたい」と意気込む。 志賀の太鼓連絡協議会の三井外弘会長(63)は「この曲をさまざまなイベントで演奏し、太鼓とともに復興へと進んでいきたい」と話した。