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The 1975のマシューが語る、怒りと希望のメッセージ「美しさはこの世で一番鋭い武器」

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Rolling Stone Japan

音楽は僕にとって「選択肢」ではない

―『NOACF』の最後に収録されている「Guys」では、“the first time we went to Japan Was the best thing that ever happened”(初めて僕らが日本に行った時が人生で起きた最高の出来事だった)と歌っています。それが「最高の出来事」だったのはどうしてですか? マシュー:14歳くらいのときに、一度日本へ行ったことがあったんだ。空手をやってたからね。でも、マンチェスター出身のバンドとして行くには、あまりにも異国の地だった。全然違う国の人たちが自分たちのショーに集まってくれてるって、考えられないよね。とにかく本当に、本当に、思い出深い時間だったよ。美しい出来事だった。 ―日本のアートやカルチャーにはどういった印象がありますか? 半年ほど前にNo Romeを取材した際、あなたと彼が因藤壽や日本のアートについてよく話していると聞きました。 マシュー:そう、僕の家には因藤壽の絵画があるんだ。その絵を僕はとっても気に入ってる。僕は日本と結構強い繋がりがあるというか、日本のアーティストや建築家などのアーティスティックな人たちから影響を受けているんだ。たとえば、安藤忠雄と、The 1975のあのクリーンな線の表現とかね。日本からはたくさんのインスピレーションをもらえるから、日本にいるのも好きだよ。買い物をするのも、ブラブラするのも、僕にとってはお気に入りの場所。今は東京に何人か友達もいるしね。東京は世界の中で最もエキサイティングな街だと僕は思ってるよ。住んでると、その場所がどれだけ特別かってなかなか知ることができないけど、日本はどことも違う唯一無二の場所だと思う。 ―『NOACF』では、最後に「Guys」でバンドを組んだ喜びを表現していますが、その曲に辿り着くまでは「マシューは引退するんじゃないか?」と少しだけ思ってしまうような描写もあるので、この質問をさせてください……もし人生をやり直せるとしたら、またミュージシャンをやりますか? それとも違う仕事を選びますか? マシュー:ああ、それはいい質問だね。うーん、もし今の自分の記憶をキープできるのであれば、なにか違うことをやるかもしれない。もし記憶を失うのであれば、きっとまたこれをやると思う。どちらにせよ、なにか近いことをやるだろうね。たとえば映像を作ったりとか。クリエイターたちはよく「これ以外、私にはやれることがないんだ! 私はこれしかできないんだ!」とか言いたがるじゃん? 僕は、そういうのをあまり信じないんだ。フランシス・フォード・コッポラが映画以外でクリエイティビティが発揮できないと思わないし、ピカソが他のことはなにもできなかったとも思わない。こういった人たちは、なにかを選んで、そこで素晴らしい力を発揮してるだけで。「君にはこれしかできない」みたいなことを僕は信じていないんだ。 ―もし記憶をキープできるなら「またミュージシャンをやりたい」と言うのはどうしてですか? マシュー:なぜなら……音楽は僕にとって「選択肢」とかではないんだよね。音楽は僕のエモーションを最も動かしてくれるもの。自分ではコントロールができないというか、「僕」と「曲」のあいだには境界線がなくて、曲やその中のメロディは瞬時になにかを感じさせてくれるんだ。他のアートフォームは、受け手の感じ方に「提案」が微妙にある気がするんだよね。それについては異論もあると思うけど、僕はそう感じている。だから僕は音楽を選ぶよ。僕にとっては音楽が最もパワフルだから。

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