現在の景気「緩やかに回復」6割超、主な理由に「訪日客の回復」…九州・山口・沖縄の主要100社アンケ
読売新聞は、九州・山口・沖縄の主要100社を対象にした景気アンケートの結果をまとめた。景気の現状について「回復」と回答した企業が6割を超え、景況感の改善が底堅く継続していることが明らかになった。一方で、金利上昇や物価高などに対する懸念も広がっており、先行きには不透明感も漂う。 【グラフ】金利上昇の影響
現在の景気を「緩やかに回復している」と回答した企業は66%だった。今年6月の前回調査(73%)からは減ったものの、金融や不動産、製造業などを中心に景気が上向いているとの認識を示す企業が多く、高水準を維持した。
理由を複数回答で求めたところ、「インバウンド(訪日客)の回復」が83%で最も多く、昨年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行したことを契機とした「経済の正常化」が54%で続いた。
一方、足元の景気を「踊り場(足踏み)状態」とした企業は31%で、前回調査と比べ6ポイント増加した。「緩やかに悪化」は1ポイント増の2%で、「急速に悪化」は前回調査に続いてゼロだった。最も多く挙がった要因は「資源や原材料価格の上昇や高止まり」(90%)で、前回から13ポイント上昇しており、多くの企業が物価高に頭を悩ませている実情が浮き彫りになった。
金利上昇の影響「マイナス」半数
日本銀行が3月にマイナス金利を解除して以降、市場金利が上昇傾向にあることは、弊害になるとみる企業が目立った。企業活動への影響に「マイナス」「マイナスの見込み」と回答した企業は、計50%と半数に達した。理由は、「借り入れコストの増加」が83%に上った。
一方、「プラス」「プラスの見込み」と回答した企業は計13%だった。大半が地方銀行などの金融機関で、「貸出金利息の増加」を主な理由に挙げた。
人手の確保については、57%が「不足している」との認識を示し、「適正」(43%)を上回った。具体的な対応策では、「中途採用を強化」(83%)や「賃上げで採用強化」(69%)が多く挙がった。