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もはや人災 感染拡大止まらぬ米国 政治優先し対策置き去り トランプ政権

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 米国は南部、西部を中心に新型コロナウイルスの感染が急増し、いくつかの州では再び医療崩壊に直面している。筆者の住むテキサス州も、1日の新規陽性者数が1万人を超える日が増え、病院には遺体を冷蔵保管するトラックが到着しはじめた。4月にテレビ画面で見ていたニューヨークの危機的状態が、今や筆者の目の前で再現されつつある。トランプ政権と公衆衛生当局、州知事の足並みがそろわないといった状況も同じだ。ワシントン大学の数理モデルは、今のままだと10月末までに全米で22万人 近くが死亡すると予測している。米国のコロナ禍は、政治的な不協和音の中で、統一的な対策を実施できない指導者と市民自身による人災になりつつある。(テキサス在住、ジャーナリスト=片瀬ケイ)  ▽マスク着用が政治の踏み絵に  米疾病対策センター(CDC)は7月14日、最新の科学的データにもとづき、新型コロナウイルスの感染抑制のためのマスク着用を、改めて市民に呼びかけた。今春、ニューヨーク州などを中心に感染が蔓延した際には、医療者のマスクが不足することを懸念し、CDCはマスクの使用を感染者に限って勧めた経緯がある。

 その後、無症状の感染者が多いことがわかり、CDCは布製のマスク着用を広く一般に推奨しはじめたのだが、これが政治論争の種になってしまった。トランプ大統領を筆頭に、個人の自由を重視する保守派らは、「政府によるマスク着用義務は自由の侵害だ」という立場をとっている。  一般市民の間でも、政府はできる限り個人の生活に口出しすべきでないと考える保守派と、公共の利益のためなら政府による多少の行動制限も容認するというリベラル派でしばしば衝突する。ソーシャルメディアには、「マスク着用は反トランプ」、「マスク着用の強要はファシズムだ」などの投稿が飛び交い、「反マスク」の抗議デモまで行われるように。公衆衛生の問題であるはずのマスクの着用が、政治的立場を示す踏み絵になってしまった。  筆者の住むダラスやヒューストンなど民主党優勢の都市部では、郡や市がマスク使用を勧めたが、共和党のテキサス州知事は州内の自治体によるマスク義務化を禁じてきた。しかし新規感染者の急増に直面した7月2日、同州知事も店舗内や公共の場でのマスク着用の義務化に踏み切らざるを得なくなった。

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