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[中部圏特集・自動車2] 好調な販売支える新設計構造改革「TNGA」魅力的な新型車 切れ目なく投入 

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中部経済新聞

 新型コロナウイルスという史上最悪の感染症に見舞われた逆境下でも、素早い立ち直りを見せるトヨタ自動車。他社と一線を画す販売面の力強さ、商品力の高さを支えているのが、新設計構造改革「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の思想。車両開発を効率化するとともに切れ目のない商品投入を実現し、販売現場の活性化と一層の収益力向上につなげている。 ■基本性能の進化 トヨタは15年12月にモデルチェンジした主力ハイブリッド車(HV)「プリウス」からTNGAを導入し、プラットフォームとパワートレーユニットを同時に刷新して車両の低重心化、燃費・動力性能の向上などクルマの基本性能を大きく進化させている。 また、部品を車種やプラットフォームをまたいで新たに開発して、賢く共通化。TNGAで開発工数や設備投資はそれぞれ25%削減し、車両原価も部品の共通化、生産工程の簡素化などで10%低減できているという。 TNGAの採用展開として先のプリウスを皮切りに大型セダン「カムリ」「クラウン」、レクサスブランドの「LC」「LS」などに導入。引き続き順次導入車種を広げ、世界47工場のうち約30工場で対応していく方針という。今年7月には、タイでカローラシリーズの新しいSUV「カローラ クロス」を発売。TNGAプラットフォーム(GA―C)を採用し、上質な走りと快適な乗り心地、静粛性を実現している。日本導入を心待ちにするファンも少なくない。

■新車販売台数首位 今年2月に発売した小型車「ヤリス(旧ヴィッツ)」は9月の車名別国内新車販売台数で2万2066台を記録し初の首位となった。軽自動車以外の自動車(登録車)が全体でトップに立ったのは2017年8月以来、3年1カ月ぶりの快挙。 ヤリスはTNGAでプラットフォームを刷新しており、充実した運転支援技術や燃費の高さが高い評価を受けて発売早々から好調を維持。8月まで9カ月連続首位だったホンダの軽自動車「N―BOX」(34・6%減の1万8630台)を猛追し、ついに差し切った。 トヨタは、TNGAによる積極的な新車攻勢などで新型コロナの販売影響を抑制。世界で競合する他メーカーと比べ影響は小さく、20年上半期(1~6月)の世界販売台数はトヨタグループが14年以来6年ぶりに世界首位に立った。 ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタグループの1~6月の世界販売台数は前年同期比21・6%減の416万4487台。独フォルクス・ワーゲン(VW)は27・4%減の389万3100台で2位に転落。3位は日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の企業連合だった。

トヨタは世界市場が年末から年明けにかけて前年並みに戻ると予測しており、4~6月期の回復具合を受けて通期の連結販売台数見通しを期初予想の700万台から20万台増の720万台に上方修正し、グループ販売見通しも890万台から20万台増の910万台、トヨタ・レクサスブランドの販売見通しを800万台から30万台増の830万台にそれぞれ引き上げた。 今期のトヨタ・レクサスブランドの世界生産台数は前期比8・5%減の800万台。このうち国内生産は280万台と300万台の大台を割り込むが、コロナ影響による一過性要因として、引き続き国内生産300万台の旗を死守していく構えだ。

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