ねんきん定期便の「年金見込額」と実際の年金額にどのくらい違いがある? 記載されていない項目とは?
あらかじめ「ねんきん定期便」で見込み額を確認している・試算しているという人もいらっしゃるでしょう。 では、実際に受け取れる年金額と見込み額に、どれくらいの違いがあるのでしょうか? また、「ねんきん定期便」に記載されていない項目には、どういうものがあるのでしょうか?
「ねんきん定期便」でどのようなことが分かる?
「ねんきん定期便」は、将来、受け取れる年金額を知る手がかりとなる資料のうちの1つです。そのため、年金見込み額を確認して、セカンドライフをイメージしながらライフプランを立てたり、調整したりする人もいるのではないでしょうか。 とはいえ、実際に年金を受け取るときに年金額を確認してみると、あらかじめ確認していた年金見込み額よりも少ない、ということがあります。どうして、そのようなことが起こるのでしょうか? まずは「ねんきん定期便」そのものの仕組みを理解しておく必要があります。 「ねんきん定期便」では、50歳未満と50歳以上で記載されている内容が異なっています。違いは、以下のとおりです。 ●50歳未満:これまでに加入していた実績をもとに計算していくが、今後の見込み額は含まれていない。 ●50歳以上:現在と同じ給与水準で60歳まで働いたと仮定して見込み額を計算する。 つまり、50歳未満で「ねんきん定期便」を確認した場合には、それまでの加入実績のみであり、今後の見込み額は含まれていないため、この先も保険料を納め続けていけば、受け取れる年金額は増えることになります。 50歳以上のねんきん定期便に記載の金額は、あくまでも現在と同じ給与水準で働き続けた場合の見込金額となっています。50歳以降に働き方の変化や給与の見直しなどが行われたときには、見込み額よりも増えたり減ったりすることになるのです。 また、加入期間も受取額に影響します。 老齢年金の受給基準を満たすためには、120ヶ月(5年)以上の加入が必要であり、遺族年金の受給基準を満たすためには、300ヶ月(25年)以上の加入が必要です。ただし、遺族年金は条件によって、300ヶ月(25年)以上を満たさなくても受給できる場合があります。