国政選挙なく収入減 県選管23年政治資金報告書、政党・団体計12億6066万円
●20年間で3番目に低く ●支出も減 県選挙管理委員会は29日、2023年の政治資金収支報告書の概要を発表し、政党・後援団体などを合わせた725団体の収入は前年比22・1%減の12億6066万円、支出は28・9%減の12億3214万円だった。収支ともに前年の金額を下回るのは3年ぶりで、収入は過去20年で3番目の低水準となった。国政選挙がなかったことなどが影響した。 【図表】県議の後援団体収入と県議が代表の政党支部の上位20 団体別の収入は、政党が24・0%減の8億1799万円、後援団体が13・1%減の3億3181万円、その他の団体が31・0%減の1億1085万円。知事選、参院補選、参院選と大型の選挙が続いた22年に比べ、23年は国政選挙がなく、県全域での選挙が県議選のみだったためとみられる。 収入の内訳を見ると、寄付が22・7%減の6億9023万円で収入全体の54・8%を占めた。寄付は個人からが2億7142万円で最も多く、企業などからが2億6361万円、政治団体からが1億5519万円と続いた。個人が法人を上回るのは4年ぶりとなる。 寄付以外では交付金収入が37・4%減の2億7819万円、党費・会費が2・5%増の1億6507万円、事業収入が30・7%増の1億500万円だった。 前年からの繰越額を含めた収入総額は17・4%減の22億1305万円だった。 報告書の提出を義務付けられている734団体のうち、期日までに98・8%が届け出た。 ●【県議】後援団体、紐野氏666万円 個人支部、下沢氏2149万円 県議の後援団体収入は、前年比17・5%増の7855万円、支出は44・7%増の9573万円となった。収入は3年連続、支出は2年連続で増えた。昨年4月に県議選が行われたため、政治活動が活発化したとみられる。 個人別の収入では紐野義昭氏(自民・9期)が7・5%減の666万円でトップ。県議が代表を務める政党支部の収入は、安居知世氏(同・4期)の自民金沢支部が106・0%増の3294万円で最多だった。 県議個人の政治活動を担う政党支部は、下沢佳充氏(同・8期)の自民金沢市第5支部が9・2%増の2149万円で最も多かった。 ●【国会議員】自民3氏増、2氏減 立民1氏も減 県関係国会議員(元職、立候補者を含む)が代表を務める政党支部の収入は、自民の現職3氏が前年から増加した一方、現職2氏は減少した。立憲民主では党県連代表の現職1氏が前年を下回った。参院選、参院補選で政治活動が盛んだった22年の反動とみられる。 最も収入が多かったのは宮本周司参院議員。代表を務めていた自民県連が前年比56・1%減の6200万円、県参院選挙区第3支部が14・6%減の4576万円で、合わせて44・7%減の1億777万円だった。 自民では、佐々木紀衆院議員の県第2選挙区支部が17・2%増の6046万円、小森卓郎衆院議員の第1選挙区支部が44・4%増の5110万円、西田昭二衆院議員の第3選挙区支部が11・6%増の3790万円。これに対し、岡田直樹参院議員の参院選挙区第2支部は56・0%減の4750万円と前年を下回った。 立民は近藤和也衆院議員が代表の党県連が60・4%減の2052万円、県第3区総支部が19・0%増の1524万円で、合計44・7%減の3577万円となった。参院選、同補選に出馬した小山田経子氏の県第2区総支部は413万円、荒井淳志氏の県第1区総支部は549万円。 維新は小林誠氏の衆院県第1選挙区支部が746万円となった。 後援団体の収入では小森氏の2013万円が最多。宮本氏が1863万円、近藤氏が1113万円と続いた。 ●【政党】自民3年ぶり減 政党の収入は、トップの自民が前年比31・2%減の5億3743万円で3年ぶりに減少した。共産が0・7%増の1億4231万円、公明が69・1%増の4544万円、立憲民主が38・9%減の4540万円。 支出も自民が最多で、31・7%減の5億6319万円。共産が0・5%減の1億4179万円と続いた。 ●【後援団体】1億2641万円に増 後援団体の収入(繰越額除く)では馳浩知事が前年比53・6%増の1億2641万円、支出は80・8%増の1億159万円だった。年間の収入額が1千万円を超えた後援団体は6団体で、馳氏の個人後援会「銀河の会」が6370万円でトップとなった。 ●パーティーは6団体 政治資金パーティーの開催団体数は前年比2団体減の6団体で、対価収入は6093万円と前年の5134万円から増えた。同収入が1千万円以上の「特定パーティー」は、自民党金沢支部による「自由民主党金沢支部政経セミナー」(2188万円)の1件。 資産(100万円以上)は、自民県連が預貯金5千万円、動産440万円、立憲民主県連が敷金119万円、国民民主県連が動産300万円、共産県委員会が建物9649万円、土地2070万円、動産190万円を届け出た。借入金は、自民県第2選挙区支部の1100万円だった。