2年連続全国ベスト4の帝京長岡を倒して激戦区新潟を制覇!開志学園JSC、インハイ連覇に挑む夏#2
2021年、開志学園JSCは令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選を制し、2014年以来3度目のインターハイ出場を果たした。準々決勝の新潟西戦、第98回、第99回大会と選手権2年連続ベスト4の帝京長岡との準決勝。さらに2022シーズンにプリンスリーグ北信越へと昇格した精鋭の日本文理との決勝。体力面での不安などを抱えた戦いは厳しいものだった。 【フォトギャラリー】開志学園JSC練習風景 勝利を重ね成長し、力を増してきたチーム。戦いぶりは順調に見えたが、ある不安も顔をのぞかせていた。その不安とは、やはり体力面。とくに準々決勝以降はフィジカル的な厳しさがチームに押し寄せていた。中でも宮本監督は「準々決勝の新潟西戦はキツかったですね。中1日で準決勝、準決勝の翌日に決勝。その決勝を見据えて、新潟西戦はスタメンも戦略的にした部分がありました。ゲーム内容でも先制を許してしまうなど、厳しかったですね。しかしそれでもプランを変えずに我慢して、なんとか逆転勝ちをおさめることができた。結果的にこの試合を当初のプラン通りに勝つことができたのが大きかった」と話す。そして「この試合で体力面のリカバリーをできた選手たちが帝京長岡との準決勝、日本文理との決勝で活躍してくれた」と、采配に応えてくれた選手を称賛した。 新潟西戦に勝利し、中1日で迎えた帝京長岡との準決勝。現チームのキャプテン竹内皐樹は「帝京長岡との試合は自分がスタメンで出場したんですけれども、守備的なポジションで前から行くというタスクを任せられていました。自分的には、前半のうちからどれだけ行けるかということは、けっこう苦しかった部分でもありました。相手が帝京長岡ということで、楽しみも感じていたんですけれど、試合前から“しっかり試合に入れるだろうか?”などとちょっと緊張していたところもあって。本来はDFだったんですけれども、その守備力を“中盤の位置で使おう”という指示があって。『自分でできるだろうか?』と考えたりもしました」と不安も感じていたという。 しかし、いざ試合が始まると開志学園JSCは前半から主導権を握る。後半に入ると、途中出場のMFモーリス・ケンヤからのクロスに、オーバーラップしてきたDF長谷川基尊がヘディングシュートを叩き込み先制点を奪う。最終ラインの選手を前線に上げて同点を狙った帝京長岡の攻撃を凌ぎ切り決勝進出を果たした。 帝京長岡を撃破したことで選手たちはより自信を深めた。宮本監督も「準決勝前は選手たちも“帝京長岡と戦える”とか“帝京長岡を倒せる”ということをずっと考えていたと思います。その思いがあったからこそ、試合中も帝京長岡さんに怯むことなく勢いを持ち続けて立ち向かうことができた。準決勝後は“帝京長岡さんに勝ったのに、決勝で負けてしまったらどうしよう…”という不安はなかったですね。逆に“帝京長岡さんに勝った”という流れがある中での日本文理さんとの試合だったので、もうやるしかないと。今までの勢いを全部出し切ることができました」と語る。 そして翌日に迎えた日本文理との決勝。勢いに乗る開志学園JSCは前半から攻勢を強める。するとDF長谷川からのクロスに、MF佐々木楽登がヘディングシュートを放ちネットを揺らす。インハイ予選全5試合で1失点と堅守を誇ったディフェンスも全員がハードワークし、準決勝まで4試合24得点という高い攻撃力を備えた日本文理に得点を許さない。そして1-0と開志学園JSCがリードのまま、試合終了を告げるホイッスルが吹かれた。 優勝を決めた瞬間、FW平は「開志学園JSCを選んだ理由の1つが全国大会に出場するためだったし、チームとしても“インハイ出場、プリンスリーグ昇格、選手権出場”という目標の1つを達成できたのはうれしかった」と振り返った。同時に「ただ決勝に出られなかった悔しさもあった。あれからゴール前のテクニックやゴール前のプレー、ペナルティエリア内でのプレーというのは人一倍点を取れるように練習してきた。守備の部分でも、走ったり、プレスバックとかチームに貢献できるプレーを頑張りたいと思っている」と自分を磨き上げていった。