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収入65%減「それでも鉄道に希望はあるのか?」 熊本地震から復活したJR九州の“数奇な運命”

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文春オンライン

 今日8月8日、阿蘇山を見ながら熊本と大分を結んで走るJR豊肥本線の肥後大津~阿蘇間が運転を再開した。2016年の熊本地震で被災してから長らく不通だったが、このたびようやく復旧したというわけだ。阿蘇を列車が走るのは、実に4年ぶりのことである――。 【画像】熊本地震以来4年ぶりに復活したJR豊肥本線の写真を見る(全12枚)  災害で被災した鉄道路線が無事に復旧するという話題は明るいニュースのひとつだ。実際、JR九州でも7月1日から来年1月11日にかけて「スイッチオン!豊肥本線全線開通プロジェクト」と題するキャンペーンを開催。久々に特急「あそぼーい!」が熊本~大分・別府間で運転されるようになるなど、沿線住民とともに盛り上げようと気運が高まっているようだ。  豊肥本線は九州の東西を横断する大動脈であると同時に、阿蘇の外輪山の中(つまりはカルデラの中)を走る屈指の観光路線でもある。あの豪華クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」が通るルートでもあり、とりわけ今回運転を再開した区間は立野駅から赤水駅の間の三段スイッチバックや阿蘇山の美しい眺めなど見どころにあふれている。そうした豊肥本線の全線復旧となれば、地元の人たちの喜びや期待も相当なものだろう。

収入65%減、7月豪雨「なんとか明るい話題を……」

 けれど、喜んでばかりもいられない。本当ならば2020年の夏はオリンピックの夏。外国人観光客がこぞって日本にやってきて、ジャパン・レール・パスが飛ぶように売れ、お祭りムードのなか日本人も全国各地に観光に繰り出す。それでもって“観光列車大国”の九州も大いに賑わうはずだった。が、突如やってきた新型コロナウイルスで世は一変し、外国人観光客での賑わいは雲散霧消、4~6月期のJR九州の鉄道旅客運輸収入は前年同期と比べて65.1%減という厳しい結果になった。

 さらに世の中は残酷なもので、7月初旬に九州を襲ったのが令和2年7月豪雨。豊肥本線と並んで九州屈指の観光路線であった肥薩線をはじめ、多くの路線が甚大な被害を受けた。久大本線にいたっては、2017年の九州北部豪雨で不通になった区間を1年かけて復旧させたのにも関わらず、またも橋梁流失するなど大きく被災してしまった。  だからこそ、数少ない明るい話題の豊肥本線全線復旧が喜ばしい、ということなのだろう。運転再開に先立って、JR九州は被災現場の復旧の模様と試運転初日の2度に渡って報道公開。同社に聞いても、「なんとか明るい話題を提供して九州を盛り上げたい一念で……」。その気持ち、よくわかります……。

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