【プレイバック】DF中谷が2発!静岡学園が2点差を跳ね返し青森山田を下し24大会ぶりV
令和初の高校王者をかけた一戦は、劇的な試合展開となった。前年の選手権決勝や、昨年12月に行われたプレミアリーグ・ファイナルですでに埼スタで日本一を経験している青森山田に対し、「体験したことない会場の雰囲気で動きが堅かった」(DF4田邉 秀斗、2年)静岡学園は前からのボール奪取を徹底した相手に苦しみ思い通りのパス回しが披露できなかった。チームの強みであるMF10松村 優太(3年)とMF14小山 尚紀(3年)の両翼にパスが入っても、複数人に囲い込まれ、思い通りの攻撃ができなかった。前半11分には、自陣右で武田を倒して与えたFKをDF5藤原 優大(2年)に決められ、先制点を許すと、33分にも武田にPKを決められた。 【フォトギャラリー】静岡学園vs青森山田 前半のうちに2点を追いかける展開となったが、MF10松村 優太(3年)が「今まで無失点で来ていたけど、試合前から点は取られるだろうと想定はしていた。なので、皆で集まって『焦らず頑張ろう』と話し合った」と振り返る通り、静岡学園の選手に動揺は見られない。45分+2分に相手エリアで奪ったFKのこぼれ球をDF5中谷 颯辰(3年)が決めて、1点差に詰め寄り前半を終えると、後半からは距離感が遠く、パス回しがスムーズではなかった中盤の動きを修正。MF8浅倉 廉(3年)の配球から、松村と小山が前向きでドリブルを仕掛ける回数が増加した。 「守備ばかりになりボールを前に繋げなかった。もっと自分がボールを受けて裁かないといけなかった」とMF6古宿 理久(3年)が振り返る青森山田を押し込むと、後半16分には途中出場のMF19草柳 祐介(3年)が放ったスルーパスが相手DFの背後に転がった。反応した今大会初スタメンとなったFW9加納 大(2年)。1回戦から外で見る時間が多くて、チームが勝ち上がっていても飢えている気持ちがずっとあったので常に準備してきた。やるしかないと覚悟を持って試合に挑んだ」ストライカーが左足を振り抜いた一撃がゴール左に突き刺さり、試合は振り出しとなった。 静岡学園は同点に追いついてからも攻撃の手を緩めず、85分には右CKの流れから左サイドの高い位置でFKを獲得。MF16井堀 二昭(3年)がゴール前にクロスを上げると、「ニアに入ると決めていたけど、咄嗟にファーが空いているなと思ったので、走ったら良いボールがちょうど来た。押し込むだけでした」と振り返中谷が彩まで合わせて、逆転に成功。終盤は、DF19鈴木 琉聖(3年)のロングスローなどパワープレーを仕掛けた青森山田の攻撃をしっかりと跳ね返し、3-2で勝利した静岡学園が日本一を掴んだ。 (文・写真=森田将義)