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1人暮らしのプチプラ防災術【避難所に行くより「在宅避難」! 必ずそろえたい防災グッズ10点 】/辻直美・国際災害レスキューナース

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マイナビニュース

浸水の危険がある場合などは即避難だ。震災後も自宅が暮らせる状態であれば、近年は避難所に行くより在宅避難が推奨されている。しかし、どうすれば賃貸の1人暮らしの部屋を「震災後も暮らせる部屋」にできるのか。国内外の被災地で災害レスキューナースとして活躍している辻直美さんに、在宅避難の備えについて、最低限そろえておきたい防災グッズ10点とともに教えてもらった。 【写真】在宅避難のために、最低限そろえたいアイテムがコレ 生活を楽しみながら災害に備える 地震の時は想像以上に家具や家電が飛んできて、移動して、倒れます。在宅避難しようと思ったら、まず、それらを片付けなければなりません。すべての部屋が足の踏み場もない状態になるので、安全なスペースを確保するだけでも一苦労。そのため、「飛ぶ・移動する・倒れる」をいかに防ぎ、復旧しやすくするかが、在宅避難できる部屋づくりのポイントになります。 収納なら、例えばチェストの下段には重い物、上段には軽い物を入れます。できれば、腰よりも上には物を置かない方がいいのですが、置くなら、きちんと対策をしておく。つい、棚の上に細々と物を飾ったり、カラーボックスをバンバン追加して、積み重ねたりしていませんか? カラーボックスを重ねる時には連結金具などで固定しておかないと、地震の時にはズレて落ちてきます。それで亡くなった人も、私はたくさん見てきました。 ただ、防災だけを考えた部屋づくりでは、暮らしにくくて続けられません。かといって、生活の楽しさにばかり傾いたら命の危機もあり得る。大切なのは、生活と防災のバランスを考えることです。 たとえば、「水の備蓄は大人1人あたり10日分、30~40L程度必要」と言うと、多くの人が「そんな量を置く場所がない」と言います。でも、使いながら備蓄するローリングストックにして、置き場所も分散させると、案外なんとかなるもの。消費期限切れに気付かなくて、いざという時に使えないという事態も起こりにくくなります。細々とした物を飾りたいなら、滑り止めシートを貼った透明のケースの中に並べるという手があります。自分なりの落としどころをうまくみつけて、在宅避難可能な部屋を実現していきましょう。 家具や家電が飛んでこない、倒れてこないためのアイテム5点 どんなに防災グッズを持っていても、それを正しく活用できなければ意味がありません。ここでは、在宅避難のための必要最低限の10アイテムを紹介します。普段から家にあるもので代用したり、100均を利用したり、必要以上にお金をかけない「プチプラ防災」で生き抜くための部屋づくりをしましょう。 ●家具転倒防止板(100均でOK) 地震の際に本棚やタンスなどの家具が倒れないようにする傾斜のついた板です。家具を壁から少し離して置き、家具の下前方にこれを敷く。すると、家具が後ろの壁にやや倒れ込むような形になるので、前方に倒れてくるリスクが減ります。家具と天井の間の隙間は段ボール箱等できっちり埋めると、さらに倒れにくくなります。 ●耐震ジェル(100均でOK) テレビやパソコンなどの底面に貼ることで、地震の際に揺れないようにするジェルです。サイズにより耐荷重が違うので、購入前に要チェック。地震では単に物が倒れるだけでなく、けっこう重い物でも飛んできます。阪神・淡路大震災の時には、2m先にあった13インチのブラウン管テレビデオが飛んできて、私は頬部骨折しました。耐震ジェルなどで対策をしておかないと、いまどきの薄型テレビは余裕で飛んできます。 ●収納箱(100均でOK) ●滑り止めシート(100均でOK) 地震で物が飛び出したり、壊れたりしてグチャグチャになった部屋は、それだけで気力が萎えて、片付けようという気持ちにもなかなかなれないもの。そこで、最初から被害を最小にとどめられるように物は収納箱に片付け、箱の下には必ず滑り止めシートを貼るようにします。このとき、手前の方が少し高くなるように貼るのがコツ。収納箱の内側の底面にも貼り、中に入れたものも揺れないようにします。 収納箱は手持ちのものを使ってもいいですし、100均にもいろいろあります。私は、食器も収納箱に入れた上で食器棚にしまっています。冷蔵庫の中も、蓋がないタイプの収納ケースを使って調味料などを整理。万一、地震で調味料がこぼれたとしても、被害はケースの中だけで済みます。冷蔵庫の奥の方に入れたものが取り出しにくい、ということもなくなり、普段の生活でも利便性がアップします。 また、滑り止めシートは、本棚に敷いておくと本が飛び出しにくくなります。さらに、隙間がないようにギチギチに本を並べることがおすすめです。 ●開き戸ロック 観音開きの開き戸は、地震の時に開いて、中のものが飛び出してくる可能性が高いです。この手の開き戸はシンクまわりの棚にも多く、そこにしまってあるものといえば包丁、フライパンといったちょっとした危険物。開き戸ロックをしっかり取り付けて、開くのを防止します。 避難生活のQOLを上げる5つのアイテム ●防災ラジオ 防災ラジオとは、災害時に役立つ機能を備えたラジオ。私は普段からこれで番組を聞いたリしています。わが家ではソーラーと手回しで充電できるものを使用。モバイルバッテリー、ライトとしても使えます。防災ラジオに限らず、普段から1つで3つぐらいの使い道があるものを持つようにすれば、もの自体の数が少なくて済み、部屋も片付けやすくなります。 ●カセットコンロ ●カセットボンベ これも、私は普段から使っています。温かいものは気持ちを癒してくれます。ライフラインが止まっても、温かい食事を作ったり、身体を拭くためのお湯を沸かしたりできるように、カセットコンロ、カセットボンベを用意しておきましょう。 今回、必要最低限のアイテム10点の中に水や食料を入れませんでした。なぜなら、たいていの人は当座をしのげるくらいの食べ物や飲み物を、常に家に置いているからです。自炊をまったくしない人だって、スナック菓子やカップ麺、お酒やジュースならストックがあるのでは? それも実は備蓄なんです。 ただ、必要最低限の10点に入っていなくても、水や食料が生き抜く上で重要なのは当然です。10点を揃えた後に、特に水は備えておくようにしてください。 ●45Lのゴミ袋 どこにでもある、ごく普通のゴミ袋ですが、これがいろいろなものに活用できます。まず防寒。ゴミ袋に首と手を出すための穴を開けて被り、上からレインコートとかジャンバーを着て、体温を逃さないようにします。断水時には、リュックサックの中にゴミ袋を2重に入れ、そこに給水車などから水を入れて運びます。これなら、女性でも15Lくらい運べます。瓦礫を片付ける際にももちろん必須で、震災後は不足して困ることが少なくありません。 ●ペットシーツ 断水でトイレが使えなくなった時に、自宅トイレを災害用トイレに変身させるために使用します。市販の携帯トイレを用意するより、この方がお得で使い勝手もいいです。 便座を上げて、45Lのゴミ袋を二重に便器にかぶせ、ペットシーツを給水面が外側に来るように二つ折りにしてセット。もしあれば、こまかくちぎった新聞紙をひとつかみほどその上に乗せ、便座をおろせば完成です。排せつ後は、上のゴミ袋だけペットシーツとともに外して捨てればOK。ペットシーツは抗菌ポリマーなので、衛生面でも安心です。 辻直美 つじなおみ 国際災害レスキューナース。 一般社団法人育母塾代表理事。阪神・淡路大震災で実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。看護師歴28年、災害レスキューナース歴25年。被災地派遣は国内19件、海外2件。被災地での過酷な経験をもとに、本当に使えた防災術を多くの人に知ってもらうための活動を展開。著書に『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社)がある。 この監修者の記事一覧はこちら

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