医療費控除で知らないと大損する「3つの極意」、国税庁作のエクセルに罠?
2月16日から受け付けを開始した確定申告。その中でも多くの人にとって身近な存在が「医療費控除」だろう。それにもかかわらず、知らないと大損する可能性大の「三つの重要記入ルール」が意外と認知されていない。今回はその極意に加えて、国税庁の「確定申告特集」サイトでダウンロードできるエクセルに隠された「罠(?)」についてもお伝えしたい。(生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵) 【この記事の図解3点はこちら!】 ● 身近で手軽な「医療費控除」 記入方法を間違えると大損 確定申告の受け付けがスタートした。「税金が戻ってくる」のは誰にとってもうれしいことなので、多少の手間はかかっても還付が受けられるなら申告しようと考える人は多い。 還付申告で最も身近なものは「医療費控除」だろう。家族の医療費の合計額が足切り金額(原則10万円)を超え、手元に病院・薬局等の領収書やレシートがあれば、還付申告ができる。 医療費控除の申告は複雑なものではなく手軽にできるが、「三つの記入ルール」を知らないと大損する可能性が大。今回は「医療費控除の申告時に知っておきたい三つの重要記入ルールと落とし穴」を紹介しよう。
● 重要ルールを知らないと 6万円の大損! まず、医療費控除の「重要ルール」を踏まえて正しく申告した場合と、ルールを知らずに申告した場合でどのくらい節税メリットが変わってくるかをケースで見てみよう。 【ケース】 年収800万円の会社員、鈴木太郎さん(税務上の扶養家族は妻)一家の昨年かかった医療費は、以下の通り。 ・太郎さん:歯のインプラント治療で歯科医院に支払った費用は50万円 ・妻の花子さん:乳がんの手術を受けて10日間入院し、支払った医療費は10万円(高額療養費適用後)。民間医療保険から入院給付金と手術給付金を合わせて30万円受け取った。 損しないための「ルール」を踏まえて申告すると、所得税は8万1700円還付されるが、ルールを知らないと還付金額は4万900円で、その差は4万800円にもなる。 医療費控除で受けられる恩恵は所得税の還付だけではない。確定申告をすることで住民税も安くなり、ルールを知っているかどうかの差額はこのケースだと2万円となる。 太郎さんが医療費控除のルールを知らずに申告すると、所得税と住民税を合わせて約6万円の損になるのだ。これから解説する「重要ルール」は、確定申告の記事で見かけることがほとんどない(つまり、重要にもかかわらず知られていない)。ぜひ、最後まで読んで役立てていただきたい。