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地域医療維持に懸念 福島県内病院の収益大幅減 財源確保が急務

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福島民報

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、県内の医療機関で入院や外来の収益が大幅に減少している。患者の受診控えや病院の感染防止対策に伴う入院制限が主な理由だ。運営に支障が出かねない状況で、医療機関の関係者からは「第二波が襲来すれば、地域医療が維持できなくなる」との声が上がる。県は県医師会や県病院協会と連携し、地域医療の体制維持に向けた財源確保などを国に求める。 ■運転資金不足  新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国に発令されていた四月から五月にかけ、県民の外出自粛は医療機関への受診控えにつながり、外来・入院患者の減少に拍車を掛けた。医療機関側も院内感染防止のため入院制限などの対応を講じた。  このため医療機関は収入減に陥っているが、人件費や医薬材料費などの必要経費はほぼ固定されている。運転資金が不足し、金融機関から融資を受けて業務を継続するケースが出ている。  今後、感染拡大の第二波が生じれば経営状況はさらに悪化し、診療休止などが生じかねない。県医師会の事務局は「各医療機関で減収が続けば、診療科目の制限など、これまで通りの医療提供が困難になる事態も懸念される」と指摘する。

■減収2割超  県立の矢吹病院(矢吹町)、宮下病院(三島町)、南会津病院(南会津町)、ふたば医療センター付属病院(富岡町)、ふたば医療センター付属ふたば復興診療所(ふたばリカーレ、楢葉町)の四、五両月の入院と外来患者は二万二千七百二十七人で、前年同期に比べ五千百八十六人(18・6%)減った。  入院・外来の収益は三億一千三百二十三万七千円で、前年同期比で九千六百一万八千円(23・5%)減少した。  県立病院では減収を補填(ほてん)するために県の一般会計からの繰り入れが必要になる可能性がある。多額の補填が生じれば、県の施策に影響を与えかねない。 ■民間も苦境  県内の民間病院も厳しい経営を強いられている。郡山市の星総合病院は四月の収益が前年同月と比べて一割程度減少し、五月は減少幅が二割以上に膨らんだ。減収額は億単位に上るという。  病院経営の支出のうち医師や看護師らの人件費が五割以上を占める。国からの診療報酬は診療月の二カ月後に医療機関に支払われるため、同病院では金融機関からの借り入れで減収分を工面する方針だ。

 各医療機関の安定的な収益確保は地域医療の維持に欠かせない。県新型コロナウイルス感染症対策本部の担当者は「県内の医療機関は大きな打撃を受けている。国による財政支援が不可欠だ」として、財源確保を求める姿勢を強調した。

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