「五輪に呼べないくらい活躍したい」ベルギーで存在感を増す19歳日本人FWが見据える“進化のカタチ”。「嫌ではないから潰れ役でもいい」【現地発】
今月上旬、アンデルレヒトへの完全移籍を勝ち取る
アンデルレヒトのリザーブチーム「RSCAフューチャーズ」(ベルギー2部リーグ)は、12月14日の対フランクス・ボラン戦(0-1)が今年最後の試合になり、選手たちは19日、もしくは20日からオフに入る。しかし、FW後藤啓介はトップチームの練習に参加しながら、22日のヘンク対アンデルレヒト戦でのベンチ入りの可能性を探る。 【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショットを一挙お届け! 「もしFWの枠が余ったり、怪我人が出たりしたら、俺がベンチ入りすることになると思います。それから日本に帰ってリフレッシュします」 後藤にとって怒涛の2024年が終わろうとしている。ジュビロ磐田から1年の期限付き移籍でアンデルレヒトに入団したのは今年1月のこと。デビューマッチの対ベールスホット戦で挨拶代わりのPKをしっかり決める幸先良いスタートを切った191センチの長身ストライカーは、半シーズンで6ゴール・1アシストという上々の成績を残した。 今季は8節までに5ゴールを奪ったことで評価を高めた。最近7試合はゴールから遠ざかっているが、3-4-3のウイング(主に左)にコンバートされたことが影響しているのは明らかだ。こうして後藤は12月上旬、アンデルレヒトへの完全移籍を勝ち取った。契約は2028年までとなっている。 「ベルギーに来て約1年になりますけど、11得点・2アシストという結果は、試合数(29試合)で見たら少なく見えますけれど、時間(2277分)で見たら悪くないと思う(2試合弱で1点関与のペース)。実力で勝ち取ったのか、運なのか分からないですけれど、アンデルレヒトに残れたことは自分にとってすごくプラスかなと思います」 きっと実力なのだろう。だとしたら、その要因を本人はどう分析するのか。 「『完全移籍を勝ち取れた』と考えるなら、開幕から調子良くゴールを決め続けられたということ。ウイングなんて自分のポジションじゃないですけれど、そういう不慣れなポジションでもある程度のプレーができるということ。また、チームメイトとのコミュニケーション。ロッカールームや練習場とかでの日本人らしい振る舞いとか、人間性のところも含めて獲ってもらえたのかなと思います」 今季の後藤は全15試合スタメンで出場中。交代が5試合あるが、いずれも80分以上プレーしている。 「まず監督の性格を理解しないといけないと思う。監督の性格を知ることで求められていることや、やるべきことが分かりやすくなると思うんです。プレシーズンのときはあまり調子が良くなかったんですが、『監督の性格を知る』ということに時間を充てることができました。だから今もずっと信頼して使ってもらえている。普通なら左サイドを得意とする選手を使えば良いところで、俺を使ってくれている。プレシーズンでやってきたことが今につながってます」 イェレ・クーン監督(41歳)は熱いタイプの指揮官なのだという。 「求めることに対して熱く語ってくるので、それをうまく自分の中で整理してタスク以上のことをする。俺はあんまり熱くなるタイプではないですけれど、うまく熱くなっている風に見せるとか、合わせていくところができるとやっぱり使われます」 後藤が監督から与えられたタスクに加え、試合中に自ら仕事を探しながらプレーしているのは、観客席にも伝わってくるところ。ボックス・トゥ・ボックスの動きを織り交ぜたり、ピンチには自陣ゴール前まで駆けつけ、相手の決定機を捨て身のスライディングタックルで防ぎ切る。スローインのボールを拾いに行って、攻撃のテンポを高めようとする場面は頻繁にある。フランクス・ボラン戦ではスローインのロングスロワ―役を2度務めた。
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