IATA、新事務総長にウォルシュIAG前CEO「変化なくして進歩はあり得ない」
IATA(国際航空運送協会)は現地時間11月24日(日本時間24日夜から25日未明)、オンラインで開いた第76回AGM(年次総会)で、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などを傘下に持つ英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)の前CEO(最高経営責任者)、ウィリー・ウォルシュ氏の事務総長就任を承認した。アレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEOの後任として、IATAの理事会がウォルシュ氏を推薦していた。次回2021年の第77回AGMは、米国ボストンでの開催を予定している。 2016年9月から事務総長を務めてきたジュニアック氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策について「今後数カ月が非常に重要だ。検査を実施することで国境を再開放するためには、多くの作業が必要。ワクチンの最終的な世界的な流通に向けて準備を進めている。ウォルシュ氏へ引き継ぐまでに、これらの重要なIATAのプロジェクトや、その他の重要なものをできる限り進める」と述べた。 ウォルシュ氏は、2021年4月1日付で第8代事務総長に就任。「IATAは危機回復の優先事項を前進させ、持続可能性を確保し、コスト削減や減税、規制緩和により航空会社の存続を支援するなど、航空業界の強力な擁護者でなけれならない。IATAのサービスの多くは、平時には航空業界の収益の約半分、年間4000億ドル以上を処理する決済システムなど、航空会社がビジネスを行うために不可欠で、IATAの業界基準は安全で効率的なグローバルオペレーションに欠かせないものだ」と語った。 最後にウォルシュ氏は、アイルランド出身の劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉を引用し、「変化なくして進歩はあり得ない」と決意を述べた。 今年で創立75周年を迎えたIATAは、第76回AGMをネーデルランド(オランダ)のアムステルダムで6月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期後、現地開催を断念してオンライン開催に変更した。AGMでは、世界各国の航空会社や機体メーカーなどの首脳陣が一堂に会する。
Tadayuki YOSHIKAWA