国産じゃなくなる!? 空自の新たな「初等練習機」が決定! スバル脱落で勝ったのは?
米国テキストロン製のT-6に決定
防衛省は2024年11月29日、航空自衛隊の次期初等練習機および地上教育器材として、兼松が提案していたテキストロン・アビエーション・ディフェンス社製のT-6を選定したと発表しました。 【先進的なコックピットも】これが攻撃機にもなるT-6「テキサンII」です(写真) 初等練習機とは、飛行機を操縦した経験のない人が初めて進空する際に乗る飛行機で、低速である一方、素直な操縦応答性や優れた飛行安定性が求められます。2024年11月現在、航空自衛隊は富士重工(現スバル)製のT-7を運用していますが、原型機(T-3改)が初飛行したのは2002年7月9日で、運用開始も2003年4月であり、すでに四半世紀近く使われているため、そろそろ後継機が必要になりつつありました。 選定には、兼松が提案するT-6(実機と地上教育器材)以外には、SUBARUが提案するスイス製のPC-7MKX(実機と地上教育器材)、第百商事が提案するトルコ製のHURKUS(実機と地上教育器材)、そして新東亜交易が提案する地上教育器材、この4者が名乗りを挙げたとのこと。これを受け、まず第1段階評価において、必須要求事項を満たすか否かを評価した結果、兼松のT-6とSUBARUのPC-7MKXが満たした一方、第百商事のHURKUSは満たすことができず、また新東亜交易の提案内容には機体が含まれていなかったため、脱落しています。 そして、第2段階評価において兼松案とSUBARU案を比較検討した結果、評価値が高かったのが前者であったことから、このたび決定に至ったとしています。 T-6は、「テキサンII」の愛称でも知られるプロペラ推進の初等練習機で、アメリカ海軍および同空軍が使用しています。原型はスイスのピラタス社が開発したPC-9練習機ですが、アメリカでは1990年代初頭に採用されたのち、前出のテキストロン・アヴィエーションがライセンス生産しています。また原型のピラタスPC-9とは別に、カナダやギリシャ、イスラエルなど世界14か国と2つのNATO(北大西洋条約機構)飛行学校で採用されているベストセラー機で、すでに生産機数は1000機の大台を越えています。 なお、ライセンス生産になるのか、はたまた全数輸入になるのかなどの詳細は、現時点では発表されていません。
乗りものニュース編集部