乃木坂46のモバイルサイトディレクターも経験した町田ゼルビアの女性広報の奮闘「SNS で最下位では恥ずかしい」
何をやっていいのかわからないところから、広報の仕事が始まった。本当にゼロからのスタート。 「いろいろな人に『何も知らないので教えてください』とお願いして回りました。Jリーグの人にもいろいろな質問もしたし、メディアの人にも失礼なことを聞いたことがあるかもしれません」 【最悪の状況を想定して準備する】 監督や選手、チームの状態を把握したうえで、サポーター、地域の人たちに対して情報を発信するのが広報の仕事。新聞やテレビ、ラジオなどのメディア対応もしなければならない。 「サッカーという競技のことはあまり詳しくないのですが、聞くべきことはみなさんに聞いて、発信すべきことを発信していく。そういう1年目でした。とにかく、ヌケ・モレなくコミュニケーションできるように心がけました。チームに帯同していると、空気や選手の表情からわかることがあります。ピリピリしている時は、選手たちとの接し方に気をつけないと。そういう意味ではずっと気を張っていますね」 2023年シーズン、町田はジュビロ磐田、東京ヴェルディ、清水エスパルスなどJ1で優勝経験のある強豪がひしめくJ2で戦った。勝ち星が増えていけばいいのだが、負けが重なればチームの空気は重くなる。 「シーズン前は『チームの勝ち負けが仕事に直結するから大変だよ』と脅されていました(笑)。勝利が続いても『このままいくはずがない』と言われて、いつも最悪の状況を想定しながらいろいろな準備を進めていきました。この試合に勝ったらこう、負けた場合はこう、とパターンをいつもいくつか考えながら。もちろん、勝つことを願っていましたけど」 町田は42試合を戦って、26勝7敗9分で見事にJ2優勝を飾った。 「優勝した瞬間は『夢なのかな?』と思いました。選手やスタッフはもちろん、サポーターも町田に住んでいるみなさんにも喜んでいただくことができました。サイバーエージェントの社員もそうです。こんなにすばらしいエンターテイメントに関わることができ、また幸せな瞬間を発信することができて、本当に光栄でした。こんな経験は二度とできないかもしれないと思いました」