浦和レッズ興梠慎三 引退スピーチでサポーターへ“3つのお願い”「ヒーローはかっこよくなければいけません」
◇J1リーグ最終節 浦和0-0新潟(8日、埼玉スタジアム2002) 今季限りで引退を発表していた浦和レッズの興梠慎三選手の引退セレモニーが試合後に行われました。 【一覧】来季J1の20クラブ 神戸は3連覇への挑戦 岡山はJ1初参戦 清水、横浜FCが復帰 サッカー元日本代表、Jリーグベストイレブンにも選出された興梠選手。2005年に鹿島アントラーズの一員として公式戦デビューを果たすと、その後、07年6月にJ1初ゴール。13年からは浦和レッズに移籍し、合計11年間浦和でプレーしました。また、初ゴールから24年まで毎年ゴールを量産し、積み重ねた得点数は大久保嘉人さんの191得点に次ぐ歴代2位となる通算168得点。38歳となった今季限りで引退を表明していました。 引退スピーチでは関係者への感謝とともに「サポーターのみなさんに、3つだけ、僕からのお願いがあります」と詰めかけた浦和サポーターへメッセージ。 昨年8月2日に行われた天皇杯4回戦・名古屋グランパス戦において、浦和レッズサポーターが試合後に暴徒化。この問題により、JFAから今季の天皇杯参加資格をはく奪されました。 「1つ目は、今年は天皇杯を戦うことができませんでした。天皇杯はこれまでなかなかチャンスをもらえなかった若い選手からしてみれば、大いにチャンスをもらえる大会でもあります。そのチャンスをつぶしてしまったということは、心のどこかに刻んでおいてください。もちろん、ふがいない試合をした、選手たちの責任でもあります。問題を起こしたサポーターは、おそらく自分より長く浦和にいて、僕よりも浦和レッズを愛していた人たちだと思います。もうこれ以上、そういう人たちを失いたくありません。あなたたちサポーターは、僕にとったらヒーローです。ヒーローはかっこよくなければいけません。これからはかっこいい言動、かっこいい行動で、これからも浦和レッズをサポートしていただけたらと思います。よろしくお願いします」 このスピーチの後には、サポーターからは拍手が起きました。 続けて「2つ目は、先ほども言った通り、今シーズンは残留を争うようなシーズンとなってしまいました。来年こそは優勝争いをしてくれると信じています。サポーターの皆さんも浦和レッズを信じて、ここにいる選手たちを信じて、今まで通り熱い声援のほどをよろしくお願いします」と、2つ目のお願いをコメント。 最後には「最後になります。本当に11年間熱い声援ありがとうございました。当時、鹿島から浦和に来ることは“禁断の移籍”とも言われていました。ここにいるファン、サポーターの皆さんは、誰一人として僕が来ることを受け入れてくれなかったと思います。たくさんの手紙も届きました。『お前みたいなやつが来るな』と、ほとんどの手紙がそのような内容でした。それでも僕は、そういう人たちを自分のプレーで見返してやろうと、強い気持ちで、誰よりも強い気持ちで、この浦和レッズにやってきました。1年目の時、第3節、アウェー大分戦で、あなたたちは僕のチャントをつくり、歌ってくれました。少しでも自分のことを認めてくれたんだと思い、本当にうれしかったです。最後に、もう聞くことはないであろう、自分のチャントをもう一度だけ聞かせてもらえないでしょうか」とお願いし、サポーターからチャントが披露されると「本当に11年間ありがとうございました」と感謝の意で締めくくりました。