「富士山登山鉄道構想」山梨知事が静岡知事に説明
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
富士山5合目までを結ぶ登山鉄道計画は実現するのだろうか。23日、山梨県が進める登山鉄道の構想が長崎知事から川勝知事に伝えられ、川勝知事は構想に理解を示した。 2月23日は「富士山の日」。穏やかな晴天となった県内。富士山もはっきりと姿を見せた。そんな中、御殿場市のホテルでは「富士山の日」のイベントが開催され、川勝知事と山梨県の長崎知事も出席した。 長崎知事が公約に掲げている「富士山登山鉄道構想」。これは、山梨県の「富士スバルライン」上に架線を使わない次世代型路面電車=LRTを整備し、富士山へのアクセス方法を自動車から転換させることなどが目的とされている。ルートは麓から5合目までの25㎞~28㎞。上りは約52分、下りは約74分を見込んでいるという。総事業費は1400億円。運賃を往復1万円とした場合、年間300万人の利用が見込まれるとして「事業成立の可能性が高い」というが“多くの課題”もある。 具体的には事業主体を民間と想定した上での官民の役割分担や影響評価の実施、勾配への技術的な対応などが挙げられている。 この構想は今月8日に開かれた有識者検討会で「基本構想案」が了承されたため、23日、長崎知事から川勝知事へ説明されたと思われる。 長崎知事 「構想の概要について説明を申し上げ、あわせてこのプロジェクトを静岡県と山梨県の共同プロジェクトとして検討して頂けないかと申し入れを差し上げた」 一方、川勝知事も登山鉄道が環境に配慮していることなどから、計画に理解を示した。 川勝知事 「学術委員会が提言した内容も入り込んでおり、それをイコモスに報告することもうたわれているので、富士山の普遍的価値を両県で 支えているので、価値を高めるための方策として検討課題の一つにしようというわけだから、検討の可能性は十分にあるという理解を示した」 山梨県は今後、世界文化遺産の保存などを目的とする「イコモス」に、これまで環境保全や危機管理など学術委員会で示された提言を報告するという。