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小島慶子さんの疑問「はしゃぎすぎたり、思いつきの発言で人を怒らせるのはADHDの特徴?」

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40歳を過ぎてから軽度のADHD(注意欠如・多動症)と診断された小島慶子さん。自らを「不快なものに対する耐性が極めて低い」「物音に敏感で人一倍気が散りやすい」「なんて我の強い脳みそ!」ととらえる小島さんが語る、半生の脳内実況です! 【画像】誰に対しても当てはまる! 札幌市の発達障害「虎の巻」

地道な手計算で、ミスを何度も繰り返しながら、ようやく何度目かで答えにたどり着く

 人の気持ちをわかるのは難しいものです。どんな優秀な人でも、人の気持ちを完全に解き明かすことはできないでしょう。相手の置かれた状況から推測したり、もしも自分だったらと想像したりするしかありません。おおよそ察しがついたときに、どのような態度をとるべきかを判断するのも、これまた簡単ではありません。いく通りもの掛け算が成立するので、膨大な選択肢を前に茫然としてしまうのです。  この計算がとてつもなく早い人がいます。相手を安心させるのも傷つけるのも狙い通り。性能の良い計算機を自在に使って人心をつかみ、目的を果たす。そういう人から見たら、ぐずぐずと思い悩み、的外れな対応で人を怒らせるような人間は、要領が悪いことこの上ないでしょう。  頭の中にスーパーコンピューターが入っている人は、見れば答えがわかるので滅多に間違わないのかもしれません。でも世の中には地道な手計算で、ミスを何度も繰り返しながら、ようやく何度目かで答えにたどり着く人もいるのです。後者は前者の何倍も回り道をする羽目になりますが、失敗をたくさん知っているので、同じように要領の悪い人のことが、スパコン人よりもちょっとだけよくわかります。「わかる」にもいろいろあるのです。  すでに述べたように、私は人の気持ちには比較的敏感でしたが、自分の感覚をなかなか信じられず、適切な振る舞いができませんでした。警戒心の強い母の影響や、他の子どもとの接触機会が極めて少なかったことが要因かも知れません。また、はしゃぎすぎてしまったり、思いつきの発言で人を怒らせたりすることが多かったのは、ADHDの特徴である衝動性が関与していたのかも知れません。  同時に激しい人見知りでもあったので、それをなんとか克服させようと、母は「とにかく人の前に出なさい」と幼い私を叱咤激励しました。人と上手に関われない者が闇雲に前に出ようとすれば、サバンナ並みにむき出しの生存競争が繰り広げられる子どもの世界で何が起きるかは明らかです。  そんなわけで「自分は人の気持ちのわからない、ダメ人間なんだ」という意識は強まる一方で、ちょっとしたことですぐに傷つく自分をなんとかして変えたいと思っていました。しかも失敗するとわかっているのに、諦めが悪いというか、生来のおしゃべりゆえか、誰かに話しかけずにはいられないのです。挙げ句アナウンサーにまでなったのですから、ご苦労なことです。

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